(読書録)「法令遵守」が日本を滅ぼす
東京地検特捜部や長崎地検次席検事などを務められた郷原氏の書籍です。
私たちからみると、「法令遵守」を叫ぶ側(検察)のお立場だった方が、このようなタイトルの書籍をだされるとは何だろう?と思い読んでみました。
これまでに起こってきた「法令遵守」に関する社会的問題の中には、適切ではない取扱い・解釈によって立法時の思惑とは別の方向に行ってしまっているということに警鐘をならしています。
JR福知山線の脱線事故の際に、被害者の家族が医療機関に安否を問い合わせたところ、医療機関は「個人情報保護法」を盾に回答を拒絶した件などについて考察しています。
仕事柄、日頃、「これから上場企業になるにあたっては法令遵守を徹底して頂くよう」、企業の方に申し上げているのですが、本書では、表面的に「法令を守る」だけでは本当は不十分で、法令が制定されることとなった背景を踏まえ、「社会の要請を守る」というところまで徹底することが本来あるべき姿である旨を主張されています。とても考えさせられる一冊でした。
本記事投稿時点では、Amazonでは本書の古本が1円で売られています。
ここまで安価であれば、関心ある方はさっと読まれてみてもよいかもしれません。
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