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東証 本則市場IPOの活性化に向けた各種制度改正&審査プロセスの見直し

昨年12月に発表された東証 本則市場への上場審査基準の緩和などがいよいよ実行されます。

以下で主な内容をご紹介します。

●形式基準「利益の額又は時価総額」
見直し前経常利益と税引前利益の両方について、次の(a)又は(b)を満たすこと
(a) 最近2年間において、
   ・最初の1年間1億円以上 かつ
   ・最近の1年間4億円以上
(b) 最近3年間において、
   ・最初の1年間1億円以上 かつ
   ・最近の1年間4億円以上 かつ
   ・最近3年間の合計6億円以上
見直し後経常利益が、最近2年間の合計5億円以上であること
また、利益の額基準を満たさない場合の時価総額基準については、見直し前「1,000億円以上」から見直し後「500億円以上」に緩和。
(コメント:特別損失が生じたことによって形式基準を満たさなくなり「断念」ということがなくなります)


●形式基準「直接東証一部に上場する場合の時価総額基準」
見直し前時価総額 500億円以上
見直し後時価総額 250億円以上
(コメント:一気に東証一部へIPOというハードルがかなり下がります)


●実質基準「企業の収益性及び継続性」
見直し前継続的に事業を営み、かつ、経営成績の見通しが良好であること
(※ 直前期から申請期にかけての短期的な業績が
 増益基調もしくは横ばいであることが要件)
見直し後継続的に事情を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること
(※ 上場後において、安定的に利益を計上(注2)すること(注1)が
 確認(注1)できれば上場可能)
・注1=原則として申請期と申請翌期が確認対象
・注2=原則として経常損益ゼロ以上
(コメント:短期的な業績悪化があると、厳しい業績確認(底打ち確認)が求められ実質的に上場を断念させられてしまうようなケースが救われる可能性が出てきます)


●東証における審査プロセスの見直し
見直し前・平均的な審査期間は約4ヶ月
・申請受付時には、審査の大まかな進め方の説明のみ
・期越え上場を前提とした上場申請は認めない
見直し後・審査期間は、3ヶ月
・申請受付時に、審査のスケジュール予定を具体的に提示・共有
・期越え上場を前提とした上場申請も可能
(コメント:上場申請後のスケジュールは予定しやすくなります。ただし、本件は、上場審査プロセスの問題であり、他の制度見直しのような直接的なIPO活性化策ではありません)


●非上場の親会社等を有する場合の提出書類の見直し
見直し前・支配株主等: -(提出書類なし)
・非上場の親会社等(継続開示会社): -(提出書類なし)
・非上場の親会社等(非継続開示会社): 有価証券報告書に準じた書面(要監査証明
見直し後・支配株主等: 支配株主等に関する事項
・非上場の親会社等(継続開示会社): 
    非上場の親会社等に関する決算情報(監査証明不要
・非上場の親会社等(非継続開示会社):
    非上場の親会社等に関する決算情報(監査証明不要
(コメント:非上場の親会社等にとって「有価証券報告書に準じた書面」を用意することは非常に高いハードルでした。この制度変更は、一部の会社にとっては非常に大きな影響(メリット大)と思われます)


●新規上場申請前の合併等に関する提出書類の見直し
(直前期の初日以後に合併等を実施している場合に被合併会社の概要書(要監査証明)の提出を要する水準
見直し前財務諸表等に与える影響が20%以上
見直し後財務諸表等に与える影響が50%以上
(コメント:IPO直前期以後にある程度の規模のM&Aを行ったがために、IPOを諦めなければいけないというケースがこの制度変更でそれなりに減るはずです)


じっくり理解したい方は、新規上場の手引きの新旧対照表を読んでみることをおススメします。
新規上場の手引き(市場第一部・第二部編)新旧対照表(平成24年3月9日)(東証HP、PDF)
新規上場の手引き(市場第一部・第二部編)新旧対照表(平成24年2月3日)(東証HP、PDF)

ベンチャー企業のIPOだけでなく、中堅企業のIPOも活性化していくことを期待します。


【参考過去記事】
東証 本則市場への上場審査基準を緩和へ(11/12/21)

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テーマ : IPO - ジャンル : 株式・投資・マネー

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