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TOKYO AIM 第一号は、バイオVB「メビオファーム」

(7/9 一部訂正あり)

バイオベンチャーのメビオファームが、TOKYO AIMの第1号となる見通しのようです。

TOKYO AIMは、市場開設から約2年が経過しており、もう上場企業は出ないのではとの声も聞かれるようになっていたのですが、出てきました。
初モノでもありますので、少し整理してみたいと思います。

上場日: 2011年7月15日
会社名: メビオファーム
URL : http://www.mebiopharm.com/
・事業内容: 独自のリポソーム技術を活用した医薬品開発
・基準期: 2011年3月期
・市 場: TOKYO AIM
・担当指定アドバイザー(J-Nomad):フィリップ証券
・流動性プロバイダー : フィリップ証券
・監査法人: トーマツ
・株主名簿管理人: 三菱UFJ信託
・新株発行(株主割当によらない特定投資家向け取得勧誘):750千株
・想定発行価格 1,500円(7/9訂正) (発行価格総額 1,125,000千円)
・上場時株数 3,575,800株
・想定発行価格ベース時価総額: 5,363百万円(7/9訂正)

(スケジュール)
・上場申請日:6月10日
・上場承認:6月24日(予定)
・仮条件決定:6月29日(予定)
・ブックビルティング:6月30日~7月6日(予定)
・引受価額決定:7月7日(予定)
・上場日:7月15日(予定)


以下はTOKYO AIMのウェブサイトに掲載されているものです。

メビオファーム株式会社のTOKYO AIMへの上場申請について (pdf)

メビオファーム会社概要

メビオファーム特定証券情報  ← 注目

TOKYO AIMが、フィリップ証券を指定アドバイザーに選任しました。



気づいたこと等まとめておきます。
(赤字続きのバイオVBですので、本当に重要なのはパイプラインの進捗状況等かと思いますが、専門家ではありませんのでここでは一切触れません)

1.対象はプロ投資家に限定
 TOKYO AIMは、「プロ向け市場」ですので一般投資家は同社株式を購入できません。
購入できる個人プロ投資家は、「3億円以上の金融資産及び純資産を持ち、金融商品について1年以上の経験を有する」方だけです。
日本国内の、機関投資家、富裕層個人のほか、海外の投資家に販売する予定とのことです。
記者会見での質疑によると、「シンガポールでは主にバイオ関係のファンドなど主に中長期の保有をいただける投資家にアプローチしていく」そうです。

2.J-Nomadは、フィリップ証券
 これまで選定されていたJ-Nomad(6社)は、全て国内証券会社でした。
J-Nomadは、取引所(TOKYO AIM)が審査をし選任するものですが、「第1号銘柄の申請」と「新J-Nomadの選定」が同日というのは驚きました。
 フィリップ証券は、シンガポールを拠点とするフィリップキャピタルグループの1社であり、2002年に同グループが成瀬証券を買収したもの。11年4月に商号をフィリップ証券に変更。日本法人は現在130名体制とのこと。
(東京証券取引所至近の場所にあり、私も同社の存在だけは知っていました)

3.上場「申請」時に公表
 TOKYO AIMの特徴として、TOKYO AIMに上場申請が行われた時点で公表がなされます(通常のIPOは、申請時には一切の公表はなく、取引所の審査を経て上場承認時に公表)。
 TOKYO AIMの場合、J-Nomadの審査に委ねられており、TOKYO AIMは詳細な上場審査を行わない(=申請したものの上場に至らない事態は基本的に想定されていない)こともあり、このような制度設計になっているようです。
 「上場申請から10営業日で承認」とされていましたが、同社のケースでも10日申請→24日上場承認予定ですので、10営業日です。通常のIPOでは、取引所の審査期間は2か月~ですので、このスピードは大きな特徴でしょう。

4.監査証明は1期分
 通常のIPOでは、監査法人の監査証明は2期分必要ですが、TOKYO AIMでは1期分です。
「特定証券情報」に添付されているトーマツの監査報告書を見ても、11年3月期の1期分のみです。
 なお、3月決算の会社は一般的には6月末の株主総会で決算が確定するので、このタイミングで決算が確定しているのはイレギュラーなケースです。
(個人的な(適当な)推測ですが、「上場日」を7月15日にすることに強い意向があり、そのために決算日程を前倒しにしたのではないかと思います。理由:同社は2002年7月15日に設立。)

5.売出しは実施されず。株主のロックアップはない?
 バイオベンチャーのIPOの場合、公募増資に加えて、VC等の株主が売出しを行うケースも多いですが、メビオファームの場合では新株発行のみとなっています。
 そもそも増資についても、通常のIPOで行われる公募増資ではなく、「株主割当によらない特定投資家向け取得勧誘」という見慣れないモノですので、既存株主が保有株式をどうやって売却するのかがよくわからないものがあります(もしかすると売却がされるのかもしれません)。
 また、通常のIPOの場合、主だった株主にロックアップがかかりますが、その手の記載は「特定証券情報」には見当たりません。
 ちなみに、役員の保有する株式については強烈なロックアップがかかっています。
 「特定証券情報」の7ページに「TOKYO AIM上場規程第16条第12項の規定に基づき、当社の全役員は、役員在任中(退任後であっても、未開示の重要な会社方法を保有している期間は含まれる。)は、当社株式の取引を行わない旨合意しております。」との記載があります。

6.株主は、上場しても含み損?
 同社は、注目されていたバイオベンチャーでしたのでこれまでも多額の資金調達を行ってきています(現在は資本金 230百万円、資本準備金 220百万円ですが、10年3月に減資をしておりそれ以前は、資本金 1,946百万円、資本準備金 1,936百万円でした)。
 それより以前はわかりませんが、「特定証券情報」で把握できている株価の推移は、
 ・07年4月第三者割当増資:@300,000円(上場前の100分割を考慮すると、@3,000円)
 ・10年8月第三者割当増資:@110,000円(上場前の100分割を考慮すると、@1,100円)
となっております(10年8月の増資は割当先は、中国の製薬企業のみ)。
 今回の想定発行価格は@1,500円(7/9訂正)ですので、07年4月の増資に参加したVC等は、TOKYO AIMに上場しても残念ながら、含み損状態です。

7.企業の存続性も問題なし?
 TOKYO AIMでは、企業の存続性について、「特定証券情報」に「上場予定日から12ヶ月間の運転資本が十分にあることを確認した旨」を記載することを求めています。
 「特定証券情報」32ページ(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)を見ると、「上場予定日(平成23年7月25日)から12ヶ月間の当社の運転資本は十分であることを確認しております。」という、普段見たことのない記載があります(どのような「確認」したのかはナゾですが・・)。

8.監査役体制はシンプル(常勤監査役ナシ、監査役会非設置)
 通常のIPOでは、常勤監査役の選任と監査役会の設置(=監査役は3名以上)が求められていますが、TOKYO AIMでは必要とされていません。同社については、非常勤監査役2名のみという監査役体制です。
 同社は、従業員が「わずか10名」という小規模組織ですので、頭でっかちなガバナンス体制は意味ないでしょうからこれでよいのかもしれません。



あと、上場申請時の記者会見の質疑の詳細が、以下のウェブサイトに出ています。こちらも参考になります。

TOKYO AIM 上場申請第一号 記者会見レポート(2011.6.10)(THE INDEPENDENTS ウェブサイト)
この記事からひとつ紹介しておきたいのは、以下の質疑です。

―3月に出会い準備を進めてきたということは、AIM上場は2ヶ月くらいで可能ということか?
藤澤:わたしどもから申し上げることは適切ではないと思うが、既存の市場に上がれるだけの体制は整えてきた。それも評価されたのではないか。ゼロから始めた場合はまた違った期間がかかっていたように思う。書類および会社の体制、規約など色々なものを形にする必要があると思うのだが、それを鋭意整えていた。


TOKYO AIMへの上場準備期間は、かなり短かったようですが、「通常のIPO」の準備をそれなりにやってきていたからこそ出来たことのようで、これはとても重要なお話です。裏を返せば、「通常のIPO」の準備をしていないような会社が、数か月というような期間でTOKYO AIMで上場できるわけではないということでしょうから。


今後、TOKYO AIMがどうなっていくのか、とりあえずは注目していたいと思います。
(上手く機能するのであれば、企業にとっては、「選択肢」が増えることはよいことなのだろうと思いますので)
ちなみに、私の専門(コンサルティング領域)は「通常のIPO」の支援ですので、TOKYO AIMへの支援は(いまのところ)出来ません。。。。。。



【参考過去記事】

TOKYO AIMは、社債の市場に・・・・(10/11/11)

TOKYO AIMは大誤算? (市場開設 1周年)(10/06/01)

TOKYO AIM上場ガイドブック (トーマツ)(09/10/20)

J-Nomad は6社がエントリー(TOKYO AIM)(09/06/12)

『TOKYO AIM』 ついに始動?(09/05/31)

東京AIM 夏にも上場第1号?(09/04/16)

TOKYO AIM(09/01/30)
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テーマ : IPO - ジャンル : 株式・投資・マネー

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