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10年10月 IPOセミナー 【第7回】 2.(3)IPO準備の特徴・難しさ

2月7日の記事ですが、説明を付け加えたほうが良い気がしたので、以下で加筆しました。


第7回です(全12回、昨年10月に行った研修会の内容の抜粋です)。

2.上場準備の進め方、留意事項
(3)IPO準備の特徴・難しさ

IPO準備は、進め方によって巧拙の差が出る

なぜ、IPO準備は大変なのでしょうか。
 
IPO準備会社の特徴・難しさ

 

  大幅なレベルアップ
 (上場企業になるためのハードルは低くはない)

 

  同時進行
 (複数の重要なタスクを同時並行的に進めなければならない)

 

  多数の関係者
 (IPO準備プロジェクトには、社内・外の多数の関係者あ関与)
 

 

  実質基準審査
 (どこまでやれば上場審査において合格点なのかが分かりづらく、
  また求められる水準は時代や会社固有事情等によって変動する)

 

どうやったらIPO準備をうまく進められるかを考えるにあたっては、まず、どういう理由で難しいのかを知っておく必要があります。


(以下、11年3月24日加筆)
私はとりあえず上の4点に整理したのですが、もう少しだけ補足すると、

・大幅なレベルアップ:
 上場企業になるためには、決算・開示体制や利益管理(予算統制)などなどで、多くの未上場企業にとっては、かなりのレベルアップが求められます。相応に高度な内容が求められることから、上場準備プロセスはそれに関わる経営者や幹部社員にとって、次のレベルに向けて成長するとても良い機会になります。また、社外から社内にないスキル・経験をもつ優秀な人材を登用することも行われます。

・同時進行
 上場準備作業は、(1)標準的なIPOスケジュール で全体像を書きましたが、多くのタスクがあり、期日に向けてバランス良く進めていく必要があります。多くの場合、少人数のプロジェクトメンバーで対応することになるため、同一人がいくつものタスクを同時に進めていくこととなりますが、進捗管理を上手に行わないと、課題の解決が遅れてしまい上場計画に支障が出てしまいます。

・多数の関係者
 上場準備作業は、多数の関係者との上手な連携が必要になります。これは次回、 (4)IPO準備で関わる各種関係者 でご説明します。

・実質基準審査
 上場に向けては、「形式」と「実質」の両面で合格点をとる必要があります。
 上場の形式基準は、利益等の数値面ですので充足しているかどうかは明確です。難しいのは「実質」の審査であり、こちらが大変です。
 「どのような内容(テーマ)を審査するか」は、取引所もハンドブック等で説明はしているものの、各審査ポイントでの具体的な判断は、オープンにされません(取引所審査も、証券審査も)。実質審査については、例えば、「決算・開示体制に問題がないか」とか、「内部監査が機能しているか」というようなものですので、画一的な基準を公開できるようなものではありません。
 あくまで、個別個別の事情に基づいた判断がされるため(テーマによっては、時代によって審査判断の厳しさが上下することも)、企業の側にとっては、「どこまでやったら合格レベルなのか」がなかなかわからずとても悩ましいことになります。
 ここまでの事情を理解していないIPO経験者が「私の経験からすると・・・・・・・の状況なら審査も通るはず」と不適当な主張をされたり、社外関係者から聞いた「似たような状況(でも実際には異なる)」の他社事例をぶつけたりして、主幹事証券と揉め事になってしまうケースも少なくありません。 



【IPOセミナー(全12回)】

1.昨今のIPOの動向について
  (1)IPO社数の推移と各種の事件 (11年1月5日更新)
  (2)(主幹事)証券会社の動向 (11年1月7日更新)
  (3)監査法人の動向 (11年1月18日更新)
  (4)IPOに関連する法・制度改正(11年1月23日更新)

2.上場準備の進め方、留意事項
  (1)標準的なIPO準備スケジュール(11年1月26日更新)
  (2)IPO準備の現場の実情(11年1月27日更新)
  (3)IPO準備の特徴・難しさ(11年3月24日更新)
  (4)IPO準備で関わる各種関係者(11年3月27日更新)
  (5)上手にIPO準備を進めるには (11年4月11日更新)
  (6)IPO準備プロジェクトチームについて (11年7月31日更新)

3.IPO審査における最近のトピック
  (1)反社会的勢力対応(11年8月2日更新)
  (2)労務コンプライアンス問題(11年8月7日更新)

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テーマ : IPO - ジャンル : 株式・投資・マネー

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