なぜIPO準備は上手くすすまないのか?
IPO準備が「上手くいっていない」ケースというと、皆様どのような状況を思い浮かべますでしょうか
(ここでは、業績面の原因は除いて考えます)
典型的なのは、
・経理体制が整っていない
(無限定適正の監査意見が出ない、決算が締まるのが遅い、監査人からの指摘事項がつぶれていない、J-SOX対応が出来ていない)
・社内諸規程が整備できていない、規程はあるが運用実態と乖離している
・中期経営計画、単年度予算が策定できていない
・予算の精度(クオリティ)が低い、予算統制資料の不備などによって、十分な利益管理ができていない
・労務管理関連の問題がある(未払賃金の存在など)
・反社会的勢力に関する対応ができていない
・関係会社の整理ができていない
・関連当事者との取引、特別利害関係者との取引が整理できていない
・上場申請書類(Iの部、IIの部)が完成していない
・その他審査提出書類(事業報告、株主総会・取締役会議事録、各種管理資料)が整備できていない
というような状況だと思います。
では、このような状況になってしまった原因はどこにあるのでしょうか?
・時間がない
・人手が足りない
のような時間的制約を理由にするケースが多いように思えます。
が、当方の経験上、本当にそうなのかというと「本質」は別のところにある場合が多いです。
私は、IPO準備が上手く進まないケースにおいて、「根っこ」にある問題点は、
「社内外の各種のコミュニケーションの不足(欠陥)」と、「主体的ではない受動的な上場準備作業」ではないかと思います。
●監査法人とのコミュニケーション不足
・監査人が指導 → 会社は理解できない → 監査人が会社が理解できていないことに気づかない → いざ決算になって不備が多発(監査法人からは「あの時にご指摘していましたよね」と言われてしまう)
とか、
・監査人が指導 → 会社は理解できない → メンツなどが邪魔をして「理解できないので詳しく教えてくれ」と言えない → 不備が多発
●主幹事証券とのコミュニケーション不足
・証券会社が指導 → 会社は理解できない → 証券会社が会社が理解できていないことに気づかない → いざ審査直前(もしくは審査に突入)になって不備が多発(証券会社からは「あの時にご指導していましたよね」と言われてしまう)
とか、
・証券会社が指導 → 会社は理解できない → メンツなどが邪魔をして「理解できないので詳しく教えてくれ」と言えない → 不備が多発
●社内におけるコミュニケーション不足
・責任者の仕切りが悪く、社内での役割分担が曖昧なため、未対応の課題が残ってしまう(漏れてしまう)
・分担はしたものの、責任者の進捗フォローが悪く、期日になってから問題が判明
・経営陣と現場とのコミュニケーションが悪く、順調に進んでいないにも関わらず、「順調です」との報告がなされ、ギリギリになって問題が発覚(順調ではないことが認識できていないケースや、順調ではないことを言い出せないケースなど状況は様々)
●主体的ではない受動的な上場準備作業
・監査法人から言われたことだけをその場しのぎ的にやる(意味・目的を咀嚼せずに行動に移す)
・主幹事証券から言われたことだけをその場しのぎ的にやる( 同 上 )
という対応をしていると、何のための作業なのかもわからなくなり、また「漏れ」も多くなります。
IPO準備が上手くいっていない会社さんは、上記のいずれか(複数?)が起こっているのではないかと思います。
逆にいうと、IPO準備を上手く進めるポイントは、
・社内外の各種のコミュニケーションを上手に(円滑に・良好に)行うこと
・主体的な(自主性のある)上場準備作業ということになります。
その際には、IPO準備の責任者の力量(能力・経験・社内での発言力など)がとても重要な要素となります。
次回以後も、もう少しこの手の話題を続けたいと思います。
(ここでは、業績面の原因は除いて考えます)
典型的なのは、
・経理体制が整っていない
(無限定適正の監査意見が出ない、決算が締まるのが遅い、監査人からの指摘事項がつぶれていない、J-SOX対応が出来ていない)
・社内諸規程が整備できていない、規程はあるが運用実態と乖離している
・中期経営計画、単年度予算が策定できていない
・予算の精度(クオリティ)が低い、予算統制資料の不備などによって、十分な利益管理ができていない
・労務管理関連の問題がある(未払賃金の存在など)
・反社会的勢力に関する対応ができていない
・関係会社の整理ができていない
・関連当事者との取引、特別利害関係者との取引が整理できていない
・上場申請書類(Iの部、IIの部)が完成していない
・その他審査提出書類(事業報告、株主総会・取締役会議事録、各種管理資料)が整備できていない
というような状況だと思います。
では、このような状況になってしまった原因はどこにあるのでしょうか?
・時間がない
・人手が足りない
のような時間的制約を理由にするケースが多いように思えます。
が、当方の経験上、本当にそうなのかというと「本質」は別のところにある場合が多いです。
私は、IPO準備が上手く進まないケースにおいて、「根っこ」にある問題点は、
「社内外の各種のコミュニケーションの不足(欠陥)」と、「主体的ではない受動的な上場準備作業」ではないかと思います。
●監査法人とのコミュニケーション不足
・監査人が指導 → 会社は理解できない → 監査人が会社が理解できていないことに気づかない → いざ決算になって不備が多発(監査法人からは「あの時にご指摘していましたよね」と言われてしまう)
とか、
・監査人が指導 → 会社は理解できない → メンツなどが邪魔をして「理解できないので詳しく教えてくれ」と言えない → 不備が多発
●主幹事証券とのコミュニケーション不足
・証券会社が指導 → 会社は理解できない → 証券会社が会社が理解できていないことに気づかない → いざ審査直前(もしくは審査に突入)になって不備が多発(証券会社からは「あの時にご指導していましたよね」と言われてしまう)
とか、
・証券会社が指導 → 会社は理解できない → メンツなどが邪魔をして「理解できないので詳しく教えてくれ」と言えない → 不備が多発
●社内におけるコミュニケーション不足
・責任者の仕切りが悪く、社内での役割分担が曖昧なため、未対応の課題が残ってしまう(漏れてしまう)
・分担はしたものの、責任者の進捗フォローが悪く、期日になってから問題が判明
・経営陣と現場とのコミュニケーションが悪く、順調に進んでいないにも関わらず、「順調です」との報告がなされ、ギリギリになって問題が発覚(順調ではないことが認識できていないケースや、順調ではないことを言い出せないケースなど状況は様々)
●主体的ではない受動的な上場準備作業
・監査法人から言われたことだけをその場しのぎ的にやる(意味・目的を咀嚼せずに行動に移す)
・主幹事証券から言われたことだけをその場しのぎ的にやる( 同 上 )
という対応をしていると、何のための作業なのかもわからなくなり、また「漏れ」も多くなります。
IPO準備が上手くいっていない会社さんは、上記のいずれか(複数?)が起こっているのではないかと思います。
逆にいうと、IPO準備を上手く進めるポイントは、
・社内外の各種のコミュニケーションを上手に(円滑に・良好に)行うこと
・主体的な(自主性のある)上場準備作業ということになります。
その際には、IPO準備の責任者の力量(能力・経験・社内での発言力など)がとても重要な要素となります。
次回以後も、もう少しこの手の話題を続けたいと思います。
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