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東証が求める「独立役員」とは?(「上場制度整備の実行計画2009(速やかに実施する事項)」に基づく上場制度の整備等について)

東証から、
「上場制度整備の実行計画2009(速やかに実施する事項)」に基づく上場制度の整備等について
が公表されています(注:以下PDFには別の発表資料も入ってます)。
http://www.tse.or.jp/about/press/091029s.pdf

これは、9月末に公表された「上場制度整備の実行計画2009」において、「速やかに実施する事項」としていた項目についての具体的なアクションプランを提示するものです。

(参考過去記事)
東証 「上場制度整備の実行計画2009」を発表 (09/10/01)

いくつかの改正点がありますが、目を惹くのは、「独立役員の義務化」でしょうか。
・上場会社は、一般株主の保護のため、社外取締役又は社外監査役の中から、一般株主と利益相反が生じるおそれのない者を独立役員として1名以上確保しなければならない旨を、企業行動規範の「遵守すべき事項」として規定するものとします。
独立役員について、形式的な要件は示されていないものの、独立役員の選任には東証への事前届出が必要とされており、
独立役員として届け出ようとする者が、当該上場会社、子会社、下請企業などの取引先の役員・従業員、当該上場会社から報酬を得ているコンサルタント、近親者等の経営陣から著しいコントロールを受けうる者である場合や、親会社、メインバンクなどの取引先の役員、従業員、近親者等の経営陣に対して著しいコントロールを及ぼしうる者である場合は、一般株主と利益相反が生じるおそれが高いため、事前相談を要請します。

というような注意事項も書かれています。

上場会社は、「その人を独立役員として指定した理由」についても開示することが求められるとのことで、これまで実務上、見受けられた「独立性に疑問符のある社外取締役」や「形式論だけの会社法上の社外監査役」の取扱いとは全く異質の、コーポレートガバナンスの実質面に踏み込んだ内容と評価(?)できる内容かと思います。

2010年3月末までに、「独立役員の確保の状況」を届け出ることを求めるそうです(約1年の経過措置あり)。

これは、現在上場準備中の会社に対する証券会社さん等からの指導にも影響があるのではないかと思います。
これまでは、
・社外取締役:上場企業としてのガバナンス強化のために選任を検討することが望ましい
・社外監査役:監査役会の設置が必要で、そのためには選任必要(定義は会社法 2条16号)
という取扱いでした。
「独立役員」が、全ての(東証)上場企業に義務付けられるのであれば、当然に新規上場においても「独立役員」が必要とされるでしょうから、この「独立役員」をどうするかという論点については、上場準備会社においてもしっかり注視しておくべき制度変更かと思います。

とはいうものの、「社外取締役・社外監査役から1名以上」という制度内容からすると、この義務化で社外取締役を選任しようという流れになっていくのかは未知数です(これまでの社外監査役を独立役員に指名するだけという会社が比較的多いのではないかと予想します)。

 


それと、
社長記者会見要旨についても、かいつまんで紹介しておきます(下線は私が付しました)。
http://www.tse.or.jp/about/press/091029.pdf

 


・四半期決算について

したがって、利益がたくさん出るからいいというだけではない。やっぱり質の問題、あるいは思想や倫理のようなものがしっかり保持されていなければいけないので、四半期、四半期と騒がないほうがいいのではないかというのが、私の考えです。年に2回でもよいのではないかと本当は思っていますが、いずれにしても、黒沼先生たちにお願いしていますので、それをお受けしてからということになると思います。
→ 前回の記者会見でもそうでしたが、斉藤社長は、四半期開示の(超)短期志向には否定的なお考えをお持ちのようです。


・マザーズ10周年について

 まさしくマザーズ10 年ですが、現状は、最初にマザーズを計画された方々が描いていた姿と違っているのではないかと思います。本当はTOKYOAIM と今のマザーズとの中間のような市場を考えていたのではないでしょうか。
 本則市場のルールが厳しくなる中で、成長産業を育てるために、入口の間口が広くて、敷居の低い市場をつくろうということで、マザーズがスタートしたのだと理解しています。
 ただ、不幸にもいろいろ事故があって、社会や行政の要求は次第に規制色が強くなってきて、結果振り返ってみると、本則市場とあまり変わらないようなルールになってしまった
 とはいえ、マザーズには、最初から必ずしも売上や利益を求めないといった独特のルールは残っているので、内部統制などは求められますが、最近では、相当質の高い、そして成長性の高い企業に上場していただき、相応のパフォーマンスも出していただいていますので、大変満足しています。

  (   中 略   )

 TOKYO AIM については、産業革新機構という先日新しく発足した組織が9000 億円くらいの予算をもっていますので、その機構との関係で非常に期待しています。日本の大学や大手企業の研究室には、外国のビジネスマンから見たら有望な技術がたくさんあると聞きます。なぜ日本の経営者は、これを事業化しないのかといつも言われます。例えば、今韓国で成長している特殊半導体は、日本の大手メーカーで開発されたものです。日本で開発されて、海外で爆発的に伸びている技術があるのです。
 産業革新機構は、有望な種を何とか産業に育て上げるところまで国の金でやろうという考え方から発足しました。いつまでも国の金を使うわけにはいきませんので、TOKYO AIM がその受け皿にならないかと思っています。産業革新機構から受け継いだ企業に、リスクマネーを供給することによって、その企業が本格的に育っていく。

→ 少しだけTOKYO AIMについての構想が垣間見えてきました・・・・

 




上場制度は時代と共にどんどん変わっていきます。
(付いていくのが大変です・・・・)

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Tag : 東証 独立役員 要件 社外取締役 社外監査役 義務化 定義 届出 経過措置 IPO

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