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会計制度の整備について(その① これから上場を意識する会社)

上場を目指す会社にとっての大きな課題のひとつが、会計制度の整備です。

上場企業は、自社の経営成績・財政状態・キャッシュフローの状況などを適時に開示していかなければいけません(タイムリーディスクロージャー)。
財務諸表には、監査法人の監査報告書を添付する必要があり(当然ですが、正しいですよという『適正意見』でないとダメです)、これまで未上場会社としての決算をしていた多くの会社さんにとって、とても大変な道のりになります。
なお、子会社、関連会社がある会社さんについては、『連結財務諸表』の作成も必要になりこれも大変です。

以下で、上場準備の進捗状況を3段階に分けて、それぞれの状況でやるべきこと、やってはいけないことなどを説明したいと思います。
 ①これから上場を意識する会社(短期調査を受けるところから)
 ②短期調査を受けてから、監査契約締結まで
 ③監査契約締結後(上場に向けて)



第一回:これから上場を意識する会社(短期調査を受けるところから)

多くの未上場企業は、監査法人による会計監査を受けておらず、
・税務申告を特に意識した決算をしている(なるべく税金が安くなるように)
・銀行対策などのために、『背伸び』をした決算をしている(利益が出るように)
などの状況にあるため、上場企業に求められている決算処理が行われていない状況にあります。

上場するためには、これまでの会計処理を改め、上場企業に求められている決算処理にしなければいけません。

そのため、監査法人と接触することになるのですが、「わが社は上場をしたいので今期から監査してください」とお願いしても、すぐに監査契約になるわけではありません。

この時点では、
監査法人は、その会社の状況を知らないので「この会社は監査契約の対象になり得るのか?(もっと言うと、この会社とは付き合っても大丈夫だろうか?)」と思いますし、会社としても「わが社は本気で上場を目指せる状況にあるのだろうか?」と思っているところだと思います。

そのため、
監査法人による『短期調査(ショートレビュー、クイックレビューとも呼びます)』を受けることからスタートします。
短期調査は、数名の会計士によって行われる調査(資料チェック・ヒアリング)であり、会社の規模にもよりますが3日間程度実施されます。
調査後、数週間後に調査報告書の提出および報告会が行われます。

上場に向けての課題全般についての指摘が行われますが、『会計制度の整備状況』が報告の中心となります。
項目別に、「この棚卸資産には、資産性がありません」、「××引当金が計上されていません」、「これはまだ売上(売掛金)には計上できません」など直すべき処理についての指摘がなされていきます。報告を受けた経営者の方がびっくりするような報告になることもあります。
管理人も、監査法人勤務時代にいくつもの短期調査を行いましたが、調査によって会社の決算書を正しい姿に直してみると、
 ・黒字会社だったはずが、大赤字だった
 ・実は債務超過(=純資産がマイナスのこと)だった
のようなこともあり、その結果(多くの場合、このような状況では当面上場できる状況にはありません)を会社に伝えに行くのはとてもつらいことでした。

従前は、監査法人も多くの上場準備会社を顧客にしようと積極的に営業活動をしていたため、要請すればすぐに短期調査を実施してくれ、かつ調査報酬も格安でした。また、調査結果に大量の課題があったとしてもその後アドバイザリー(コンサルティング)契約によって長い目でお付き合いしてくれていました。

が、昨今は監査法人は、
 ・いくつかの会計不祥事が社会問題化したこと等に起因して、高い監査品質の維持・確保を厳しく
  求められている
   (「信用」が商売なので、1社でも粉飾決算を見逃すと、監査法人の存続をも揺るがしかねない)
 ・みすず監査法人の解散によって、従来同法人が監査していた会社を新規クライアント(顧客)として
  受け入れたことによって、業務量が増加し人員が不足している。
   (営業をしなくても、新規のクライアントがやってくる状況)
 ・08年4月スタートの「いわゆるJ-SOX対応」もあり、各クライアントにかける時間(工数)が従来より
  増加している
   (受け取る監査報酬もアップ)
 ・上場準備会社は、上場できるかどうかも不確かであり、また多くの場合利益水準も低い為高い監査
  報酬も期待できず、しかも「上場するため」に業績を良く見せたいという強い動機により粉飾決算が
  行われるリスクが比較的高いと考えられる
という状況から、
上場準備会社への対応に、従来に比べて消極的なスタンスになっているようです。

そのため、短期調査をお願いするだけでも大変という状況になっています。
短期調査報酬も、従来では考えられない高額になっています。
(従来が、営業目的の採算度外視で行われていたということもありますが。。。)


最近では、監査法人に短期調査を要請する事前に相応の準備・対策をしてからの方がよいという考えもあり、「監査法人の短期調査の前の、プレ短期調査」が会計事務所等によって行われているケースもあるようです。


次回は、第二回:短期調査を受けてから、監査契約締結まで を書きたいと思います。

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