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新興監査法人?

週間東洋経済 08年1月12日号に
『クライアント次々獲得新興監査法人の実力』という興味深い記事が載っていました。

記事によると、
・ウィングパートナーズ監査法人(07年2月設立)は、少なくとも上場企業12社(1社は上場廃止)と契約
・監査先のおおくは”いわく付きの企業”で、しかも期中での引き継ぎが多い
・会計士協会の上場会社監査事務所によると、同法人の会計士はわずか5人

だそうです。

この監査法人については何も存じ上げませんが、昨今の会計不祥事・監査不振によって監査業界に異変が起こっていることだけは間違いないと思います。

昨夏のみすず監査法人の解散の際は、
同法人のクライアントの中に、「後任監査法人が決まらない『監査難民』が大量に発生するのでは?」と騒がれたものの、
他の大手監査法人や中堅監査法人、新興監査法人がうまく受け入れたことによって、無事に後任監査法人を見つけられ、『監査難民』の発生は回避された
ということになっていたと思います。

しかし、個人的には、「本当のヤマ場はこの3月期の決算監査なのではないか。これから『監査難民』が生まれるのではないか」と心配しています。
後任監査人が見つかったというだけでは、監査意見がちゃんともらえることが約束されたわけではありません。
制度上、後任監査人は、監査を受嘱(契約)する前に会社の状況を十分に把握しなければならないとはされているものの、確実に監査意見がだせるというところまで見極めたわけではないということです。
そのため、監査をしてみた結果、「監査意見は出せない」とか、「今年は出すが来年は契約できない」となる会社が続出する可能性もあるのではないかと思っています。
いわゆるJ-SOXもあり監査法人は多忙を極めています。
また、1社でも不祥事があると監査法人の存続の危機にまでなりうるという状況において、リスクの高い会社との契約を続けようとは誰も思わないと思います。
この状況を好機とみて新興監査法人が勃興しているということなのでしょうが、上場企業の監査を会計士が数人しかいない新興監査法人が監査品質を確保・維持しながら対応するのはとても大変なことだと思います。

しばらく前であれば、普通の上場企業であれば会社の意向で監査法人を変えることは難しいことではありませんでしたが、状況は激変しています。
これからは、企業の側としては、これまで以上に監査法人との関係を良好・円滑なものとしていく努力が必要になってくるものと思います。


IPO準備中の会社の監査法人との関わり方については、別のときに書いてみたいと思います。
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