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NHKドラマ「監査法人」の感想

19日で全6回が終了しましたNHKドラマ「監査法人」ですが、感想を書きたいと思います。

6月17日記事 でも書きましたが、全般的にはとても良く出来ているドラマだと思いました

昨今の監査法人を取り巻く厳しい環境(資本市場や金融庁からの視線)や、会計不正、ブラックマネーなど、よくこれだけの内容を詰め込んだものだと感心いたします。

細かい描写について、実際の監査現場ではどうだという議論はいたしませんが、
1点だけ正直違和感を感じたところがあります。

それは、第5話で、プレシャスドーナツ社の悪質な粉飾に気づいたエスペランサ監査法人の小野寺氏、若杉氏が、監査法人の企業規模拡大を優先して、監査意見(適正意見)を出すというシーンです。

ドラマの設定が、数年前ということでは実際の監査の現場でも、「IPO後により正しい会計処理が行えるようにしっかり指導するつもりで、細かい誤りがあった場合でもIPO時点ではある程度大目に見る」ということはあったのかもしれません。
が、今回のケースでは、かなり露骨な粉飾ですので数年前であっても「ある程度は大目に」というレベルではなく、普通に考えたらストップがかかるケースだったのではないでしょうか。
というより、そもそも若杉氏は本ドラマの主人公です。
公認会計士としての正義感・使命感にあふれ、旧来の監査の悪いところを信念を持って否定してきた人物(若杉会計士)が、こうもあっさりと(苦悩するシーンはあったものの)自らが発見した粉飾決算を認めてしまうというのはいかがなものでしょうか。
第6回の冒頭で公認会計士法における会計士の使命を示す場面があったように、(本来の)会計士は
『被監査会社のみならず何人からも独立した立場で、公正性と信頼性を確保している』存在です。
本ドラマの視聴者も、若杉会計士の信念を応援していた方も多くおられたのではないでしょうか(当方はそう思いながら観ていました)。
それが、あの展開では、「なんだ、結局こうなるのか」、「実際もこういうことが行われているんだろうな」と受け止める視聴者が多くおられたのではないでしょうか。

公認会計士協会もバックアップ(?)しているドラマということでしたので、「これからの会計士はいかなる圧力にも屈することなく、信念を貫くことによって、クライアントの財務諸表に社会的信頼性を付与し、それを続けることによって監査法人・会計士が社会に認知され信頼されていく」という強いメッセージ発信をされたほうがよかったのではないかと思いました。

IPOに関わられている方々の本ドラマの視聴率は相当高いようです(仕事現場において、よく話題になります)。
本ブログ読者の方の中に、ドラマへの感想や、本記事へのコメントがございましたら、コメント投稿を頂けますと幸いです。

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テーマ : 会計・税務 / 税理士 - ジャンル : ビジネス

COMMENTS

私も

主人公の若杉会計士が、上場時の粉飾に対して最終的に適正意見(=番組内でいう「承認」)をだしたことはとても残念に思いました。

私は数年前に監査の現場を離れましたが、離れてみて監査とはやりがいのある仕事だったと感じるときもあります。
いまも信念を持って企業や株主と向き合っている諸先輩・後輩会計士が「粉飾があっても、いざとなれば承認をするんだ」と見られてしまう可能性が万が一残ったとすれば、非常に残念に思います。

ドラマで描かれていたように「(これから上場しようとする準備会社も含め)企業と監査法人が、将来の日本のためにお互いの改善すべき点を真正面から見つめる時代が来た」と個人的には思っています。

「ここが違う、あそこが違う」という議論を聞くたびに「そんなことより、日本を良くするために自分自身の胸に手をあてて改善すべきことを真剣に考えることこそが必要なんじゃないのか!」とこの1ヵ月半考えていたのでコメントさせていただきました。

今後もブログの更新楽しみにしております。

No title

FC様、コメントどうも有り難うございます。
同じシーンで同感して頂ける方がいて安心しました。
あのシーンで、若杉会計士(エスペランサ監査法人)が厳格監査を貫き通せば、「そうか、これからはそういう時代なんだな」と社会(視聴者)に伝わり、監査人としても正しい(妥協しない)指導が出来る環境づくりに繋がったのではないかと感じました。

> 今後もブログの更新楽しみにしております。
有難うございます。 少しでも期待に沿える内容にしていきたいと思います。

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