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IPOマメ知識 (市場変更・一部指定・指定替え)

ちょっとしたマメ知識です。
マザーズ → 本則市場(一部or二部)市場変更
二部 → 一部一部指定
一部 → 二部 指定替え
が、正式な言葉遣いです。

【東証用語集】
一部指定:上場銘柄の所属する市場が市場第二部から市場第一部に指定されることです。(東証用語集 一部指定

指定替え:上場銘柄の所属する市場が市場第一部から市場第二部に指定されることです。(東証用語集 指定替え

マザーズ → 本則市場 についえを「指定替え」と呼ぶことが世間ではあります。
意味は通じますので特段の不都合はありませんが、取引所(東証)の正式用語としてはその使い方はされませんので、マメ知識としてご紹介しました。

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Klab (永遠の)最速記録でマザーズ → 東証一部へ

昨年9月27日にマザーズに上場したばかりのKlab社が、史上最速の日程で東証一部に市場変更となる旨、東証より上場承認が出ております。

マザーズから市場第一部への変更 -KLab(株)-(東証HP)

市場変更日は5月28日ということで、約8カ月でマザーズを「卒業」となります。
これまでの記録は、恐らくですがボルテージでした(10年6月11日マザーズ → 11年6月9日東証一部)。

このKlab社の記録は、もう今後破られることはありません(数社だけ可能性はありますが)。
12年3月の東証の制度改正において、12年3月29日以後にマザーズ上場申請を行った会社からは、マザーズ → 東証一部については、「市場変更日時点において、上場後1年以上経過していることが必要」というルールが出来ましたので。
この規則変更は、東証二部 → 東証一部について、(従前から)1年経過ルールがあるのに、マザーズ → 東証一部には制限がなかったという状況について見直しが行われたものです。

それにしても、8か月での市場変更は大変な(立派な)記録です。
(私もお仕事として、IPOだけでなく、市場変更のお手伝いも行っていますが、「Ⅱの部」の作成などもあり相応に準備作業は大変ですので・・・)


【参考過去記事】
東証 本則市場IPOの活性化に向けた各種制度改正&審査プロセスの見直し(12/03/11)

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TOKYOAIM第2号五洋食品産業 上場時ファイナンスサイズを大幅縮小・・・・

TOKYO AIM(もうすぐTOKYO Pro Market)の第2号銘柄「五洋食品産業」の上場時ファイナンスに関するニュースです。

同社は当初、4月26日を上場予定日としていましたが、仮条件決定間際のタイミングで日程を約1か月延期していました(理由は、特定投資家における投資の意思決定については当該期間の延長が必要)。

昨日10日が、新日程での仮条件決定日でした。
発行新株式数及び売付け株式数の変更並びにブックビルディングの仮条件及び発行価額等決定のお知らせ(五洋食品産業HP)
(注:いきなり一部訂正も出ています) 

ファイナンスサイズが大幅に縮小されています。
訂正特定証券情報(TOKYO AIM HP)

先日の日程延期時にもファイナンスサイズの大幅縮小をしていましたので、当初予定からすると「超」縮小です。
・特定投資家向け取得勧誘(通常IPOの公募増資に相当)
  TOKYO AIM 承認時 : 100,000株(調達予定額 188,000千円(手取りベース))
  4月10日 : 45,000株(調達予定額 84,500千円(手取りベース))
  5月10日 : 15,000株(調達予定額 27,487千円(手取りベース))
・特定投資家向け売付け(通常IPOの売出しに相当)
  TOKYO AIM 承認時 : 10,000株
  4月10日 : 10,000株
  5月10日 :  5,000株

先日の記事で、「唸ってしまいます」と書きましたが、今回は、一瞬息が止まってしまいました・・・・


【参考過去記事】

TOKYOAIM第2号五洋食品産業の上場時ファイナンスに暗雲が・・・・(12/04/10)

TOKYO AIM第2号 冷凍洋菓子製造販売会社 「五洋食品産業」(12/02/23)

メビオファーム 上場時の増資を「中止」(11/07/09)

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「過年度遡及会計基準」のIPO準備会社への影響は!?

「過年度遡及会計基準」をご存知でしょうか?
(正式名称は、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(企業会計基準第24号)」といいます)

3月決算の上場会社の場合、2012年3月期から適用されるホットな会計基準です。
会計方針(※)の変更を行った場合について、 これまでは以下の扱いでした。

(※ 会計方針の一例)
 ・売上の計上基準
 ・棚卸資産の評価方法
 ・減価償却の方法
 ・引当金の計上基準

【 これまで 】
前期の財務諸表
(2010年3月期)
今期の財務諸表
(2011年3月期)
旧(変更前)会計方針新(変更後)会計方針

「過年度遡及会計基準」適用後は、以下になります。
【 これから 】
前期の財務諸表
(2011年3月期)
今期の財務諸表
(2012年3月期)
新(変更前)会計方針新(変更後)会計方針

これまでは、過去の決算は「確定」したもので一切手出しできないものでしたが、これからは、会計方針の変更を行うと、変更した期だけでなく、前期分についても変更後の会計方針を用いて再作成(「修正再表示」といいます)することが求められます。
制度変更の経緯は単純で、「国際ルール」に合わせるためです(IFRSや米国会計基準は、従来から過年度遡及をする取扱い)。

この基準による「実務」への影響は、なかなかのモノ(影響大)です。
「上場会社」については、会計情報誌や監査法人のウェブサイトなどで詳細な解説記事が数多く出ていますし、2012年3月期有価証券報告書から適用ですので、実務面でのこの基準への対応はほぼ終わっている状況です。

それに比べて、「上場準備会社」へ与える影響については、あまり知られていません。
対象となる会社が上場会社よりも少なく、さらにその中で、上場前に会計方針の変更を行うケースというと対象会社が相当絞られますので実務でこのケースの検討が必要性な会社さん(と会計士)は、ほんの一握りと思われます。
ただ、その一握りの会社さんにとっては、「正確」にこの基準の扱いを理解しておかないとその後の実務(IPOスケジュールにも)に大きな影響が出てしまう可能性があります。

かなりマニアックな論点ですが、この論点の詳細解説は以下をご覧ください。
緊急解説 期3月期決算以降のIPO準備会社の財務諸表について(株式会社ラルクHP)
なお、上記リンク先の株式会社ラルクが、私が所属する上場コンサルティング会社です(初公表)。
これまで、本Blog「successIPO」は、匿名での情報発信をしてきましたが、今後は(本日より)株式会社ラルクのHPにおいても、「successIPO」の記事を配信するようにしました。
(方針変更の理由については、後日、改めて記事にします)



【参考過去記事】

「過年度遡及会計基準」に関する税務上の扱いが明らかに(国税庁)(11/10/30)

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業績予想を開示しない会社が激増!? 

久しぶりのBlog更新です(本業が忙しくなりGWも結構仕事しました・・・・)。

IPO準備中の会社さんにおいても興味深いニュース記事です。

業績予想を開示しない会社が激増!? ピークを迎える決算発表に異変(Yahooニュース - 東洋経済オンライン)
業績予想を開示しない会社が激増!? ピークを迎える決算発表に異変(東洋経済オンライン)
(記事の内容は同一です)

上場会社にはこれまで、特殊な事情がある場合を除いて、取引所からの要請として、決算発表時に翌期の業績見通しを公表することが必要とされておりました。
公表する内容は、
第2四半期累計と通期の「売上高」、「営業利益」、「経常利益」、「当期純利益」、「1株当たり当期純利益」で、公表した後も、売上高で10%、各利益で30%の乖離が見込まれる場合にはタイムリーに修正開示も必要でした(IPO準備中の会社さんにもこれに対応できる体制が求められていると思います)。

今春に東証が、この取扱いの見直しを行い、これまでの開示方法も残しつつ、違う方法(業績予想の開示をしない・これまでとは違うかたちで開示する)も選択できることとしたため、上場会社の対応が変わってくる可能性があるというのが、この記事が書かれた経緯です。
決算情報の適時開示制度 - 業績予想開示(東証HP ここに以下資料はまとめて掲載されています)
上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書(東証HP)
業績予想開示に関する実務上の取扱いの見直し方針について(東証HP)
業績予想開示に関する実務上の取扱いについて(東証HP)

このニュース記事の中には、現時点ですでに業績予想非開示の会社のリストが出ています。
2012年春号(3月発売)で業績予想非開示の会社(東洋経済オンライン)

投資家(保護)のためにも、会社の業績動向に関連する各種体制(経理体制、利益管理体制、適時開示体制)をしっかり整えていく必要性は、今後についても変わるものではありません。

また、業績予想を開示しないとした場合でも、開示義務が一切なくなるわけではないので要注意です(実務上の取扱い P9)。
a.「業績予想の修正等」に係る適時開示義務に関する適切な理解の必要性
 当取引所の有価証券上場規程第405条第1項は、「上場会社の属する企業集団の売上高、営業利益、経常利益又は純利益(中略)について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた直近の前連結会計年度の実績値)に比較して当該上場会社が新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算において差異(中略)が生じた場合」等(注14)について、その内容を直ちに開示することを義務づけています。

ニュース記事では「これ幸いと業績予想を非開示とする会社が激増する可能性は否定できない」と書かれており少し心配です。
(例えば、社内に業績に関する情報が存在しているのに(これまでなら公表していたのが)公表しないでいると、インサイダー取引に繋がるリスクを会社として抱えてしまいます)

この3月決算の決算発表が間もなく出そろいますが、どれ位の企業が業績予想の取扱いを変更するのかは注目していたいと思います。
また、IPOという点で、今後、主幹事証券会社からIPO準備会社への指導の仕方が、少なからず変わってくる可能性があります。こちらも注目していたいと思います。

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