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「起業のファイナンス」セミナーに参加しました

昨日、会計士協会のセミナー(会計士向け)に参加しました。

『会計専門家のための「起業のファイナンス」』という題目で、講師はブログ「isologue」でも有名な磯崎哲也会計士です。 

お話の多くは、従前に本Blogでも紹介しました、書籍「起業のファイナンス」に書かれている資本政策まわりの内容でしたが、ライブでお話を聴けたのはとても良かったです。

印象に残ったのは、
『ベンチャーは放っておけばすくすく育つようなものではない、だから、各種の専門家が起業直後の早い時期からしっかり面倒を見て、「生態系」を作り上げることが重要』
ということを繰り返し話されていたことで、これには強く同感しました。
(表現は違いますが、私も本Blogで繰り返し提言している「企業は各種の応援団とうまくコミュニケーションを・・・」の話と通じるものです)

セミナーの総括として、『ベンチャー企業は資金的にも十分ではない(そのため会計士にも多額の報酬を払えないことも多い)が、初期の頃の資本政策の失敗は取り返しがつかないので、会計士の皆さんもぜひベンチャーを応援してください』と話され、磯崎氏のベンチャー支援に対する熱意が伝わってきました。





【参考過去記事】

起業のファイナンス(IPO参考書籍)(11/02/05)

応援団とうまくコミュニケーションをとること(09/02/13)

上場準備は、各種関係者に「支えられて」進みます(11/07/03)

「資本政策」はとても大切?(08/01/04)

トーマツ、希望退職440人募集


監査法人トーマツが会計士などを対象に440人の早期希望退職者を募集するとのことです(7/12日経新聞朝刊)。

以下は、記事からの引用です。
早期希望退職を募集するのは幹部(パートナー、ディレクター)から40人と、入社3年目以上の職員(会計士、コンサルタントなど)から400人。対象範囲となる職員全体のおよそ8%に相当する。応募者には割増退職金を支払うほか、再就職支援もする。退職日は9月末となる。

 昨年の同じ時期に新日本監査法人が早期希望退職者募集を行っています。
すると、次はあずさ?と思ってしまいますが、どうなのでしょうか(収益構造はどこも大きく変わりませんので)。

会計士業界にとってとても厳しい時代であることは間違いありません。。。。


【参考過去記事】

トーマツ 10/9期決算は赤字決算(経常損失 1.7億)(10/12/16)

新日本監査法人 「お粗末経営」?(10/10/19)

「監査法人変更 4割減」の意味することは?(10/10/05)

新日本監査法人 前期は経常利益30億円(10/09/12)

新日本監査法人が400人を希望退職で「削減」(10/07/26)

トーマツは、経常「利益」が13億(09/12/28)

新日本有限責任監査法人、2009年6月期は経常損失 13億円(09/09/19)

テーマ : 会計・税務 / 税理士 - ジャンル : ビジネス

メビオファーム 上場時の増資を「中止」

TOKYO AIM第一号のメビオファームから、上場時の増資を中止するとのリリースが出ています。


新株式発行の中止に関するお知らせ
平成23 年6月10 日及び平成23 年6月29 日開催の当社取締役会において決議いたしました、当社株式のTOKYO AIM への上場に伴う新株式発行につきまして、平成23 年7月7日開催の当社取締役会において、新株式の発行を中止することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
なお、上場日は従前の通り、平成23 年7月15 日を予定いたしております。
1.新株式発行の中止理由
 この度のブックビルディングの期間中、当社の製造に関する事業提携に関する基本合意が締結さ
、また発行価格の決定前日の平成23 年7月6日には中国の特定企業に対する当社の技術導出
(ライセンスアウト)に関わる契約が合意に
達するに至りました。
 これらの事象が発行価格の決定に与える影響を考慮し、当社の現状を適正に反映する形での価格
決定を行う必要があるものとの判断より、この度の新株式発行を中止することといたしました。
2.新株式発行を行わないTOKYO AIM への上場理由
 TOKYO AIM においては、株主数や流通株式数等のいわゆる上場形式基準に関する定めがないこと
から、当社は、既存株主に対する流動性の供与、事業上の信用力向上等を目指し、新株式発行を
行うことなく、機動的にTOKYO AIM への上場を行うことといたしました。
 なお、上場日は従前の通り、平成23 年7月15 日を予定いたしております。


これはかなり驚きです。
通常のIPOでは、「ファイナンスは中止するが上場は行う」ということはあり得ないことです(株主数や流通株式数等の形式基準があるので)。

理由は、事業提携基本合意や技術導出に関わる契約合意の価格影響に与える影響を考慮とありますが、この開示ではホントの理由が何なのかはよくわかりません。
ファイナンス期間中は、価格形成に影響をあたえるような契約締結や重要な意思決定などは控えるのが「通常のIPO」では常識中の常識です。TOKYO AIMでもさすがにそれは同じだと思います。

ブックビルティングを6月30日~7月6日で行っていました(仮条件@1,200円~1,600円)ので、その時の「投資家からの評価」とも関連しているものだと推察します。

今回の増資中止で、同社のIPOの主目的であった「資金調達」がなされないことになります。
同社は当面赤字が続くバイオVBですので、今後、別途の資金調達が必要となります。
(承認時の特定証券情報では、1,025百万円を調達し、研究開発資金として12/3期に855百万円、13/3期に170百万円を充当予定としていました)
特定証券情報」32ページ(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)では、「上場予定日(平成23年7月25日)から12ヶ月間の当社の運転資本は十分であることを確認しております。」との記載がありますが、11年3月末時点の現預金残高は185百万円です。。。。
追加で開示されている、訂正特定証券情報(平成23年6月28日)を見ると、「当社の製造に関する事業提携に関する基本合意」の相手先は、田中貴金属工業で、メビオファームが同社から契約一時金を受領するというようなことも書かれていますので、資金面では大丈夫なのかもしれませんが・・・

それでも上場を行うこととしたのは「既存株主に対する流動性の供与、事業上の信用力向上等を目指し」との理由説明のうち、「前者」が理由なのだろうと思います。
殆どのバイオVBは、VCから、EXIT(投資資金回収)に関する相当強いプレッシャーがかっており同社も例外ではないと思います。
今後の注目は、TOKYO AIMへの上場が、「既存株主に対する流動性の供与」となるのかどうかです。
一般投資家が参加できないプロ向け市場ですので、「そんなに高い流動性は期待できない」のではないかというのが私の個人的見解です(マザーズ等の新興市場の売買の中心は個人投資家ですので)。

上場後にどのような株価で売買されるのか、どれだけの出来高(売買高)があるのかに注目していようと思います(その時には、仮条件@1,200円~1,600円を思い出しながら)。


【参考過去記事】
TOKYO AIM 第一号は、バイオVB「メビオファーム」(11/06/11)

メビオファーム TOKYO AIM 上場承認(11/06/26)

ヒト・コミュニケーションズ

上場日: 2011年8月12日
会社名: ヒト・コミュニケーションズ
URL : http://www.hitocom.co.jp/
・事業内容: 家電、モバイル製品等の営業・販売業務を一括して受託するアウトソーシング事業、人材派遣事業等
・基準期: 2010/8
・市 場: JASDAQスタンダード
・主幹事証券: 野村
・監査法人: 新日本
・証券代行: みずほ
・印刷会社: プロネクサス
・想定発行価格 2,650
・上場時株数 2,140,000
・想定発行価格ベース時価総額(百万円): 5,671

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テーマ : IPO - ジャンル : 株式・投資・マネー

東証が大証にTOB提案・大証は拒否


東証と大証が経営統合の検討をしていますが、
東証、大証を子会社化案 TOB、大証は反発 」というニュースが報じられています。

これまでも
・上場している大証が未上場の東証を子会社化する
・まず、東証が上場してから、上場会社同士で経営統合する
ということ(の可能性)などが報じられてきていましたが、新展開です。
大証側は「拒否」ということですので、そう簡単には話がまとまらないのでしょうが、本件は、「どちらが統合後に主導権を握るか」ということが当事者双方の最大の関心事のように思えます。

ぜひ避けてほしいのは、
「日本の将来を考えると統合が望ましい」という状況であるにも関わらず(注:私は統合した方がよいのかは分かりません。IPOのことを考えても、新興市場が複数あり競争している方が企業に選択肢の幅が出てよいという考え方もありますので・・・)、「主導権争いが折り合わず、統合破談」 という結末です。

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上場準備は、各種関係者に「支えられて」進みます

上場準備の「終盤」においても、社外の各種関係者との付き合い方の巧拙は「IPO準備のキモ」だと、この最近、改めて実感しています。

大変な作業のひとつである「有価証券届出書」を仕上げていく過程だけでも、
・主幹事証券会社の公開引受部門(コンサルティング部隊&ドキュメンテーション部隊)
・監査法人の監査チーム
・印刷会社のディスクローズ研究部門
が何度も何度もチェック・検討を繰り返してくれます。
(「チェック・検討」とは違うかもしれませんが、主幹事証券の審査部門、取引所の審査部門、財務局の担当官などからも、直すべき点、気になる点等の指摘をイロイロ受けます)

これまでも主幹事証券審査の過程等で、かなりの修正・検討を加えてきたのですが、それでも修正箇所が驚くほど出てきます。
私も、上場コンサルティングを業としていますので、それなりには各種開示書類に関する知識・経験を備えているつもりではありますが、それでも「よくこの間違いを見つけてくれたな」、「確かにこの開示にした方がより良い開示だ」と驚きの連発です(恥ずかしながら勉強になります)。
(一瞬、「直さなくても(このままで)いいんじゃないの」と思うこともあるのですが、冷静に考えると、直しておいたほうがよいなとなることが多いです)

各種関係者も、万が一の間違いがないようにと真剣に対応して下さっているのが伝わってきます。

各関係者としては「お仕事」ですので、当然対応して下さるのですが、かなり遅い時間まで対応頂いたり、急ぎの相談に対応頂いたりということが続くなかでも、皆、一丸になって上場を成功させよう(失敗しないようにさせよう)と頑張って対応して下さり、本当に有難いことと思います。

本Blogでは度々このことを取りあげていますが、やはい、現在上場準備中の会社さんや、これから上場準備を開始する会社さんへは、無理なお願いも聞いて頂けるよう、上場準備の全ての過程において、各種関係者とは「良い付き合い」をしていくことをおススメいたします。


【参考過去記事】

IPOに向けての各種関係者について(総論) (08/04/19)

応援団とうまくコミュニケーションをとること(09/02/13)

各種関係者(証券会社) (08/04/27)

各種関係者(監査法人) (08/05/01)

各種関係者(証券代行) (08/05/20)

各種関係者(専門印刷会社) (08/06/01)

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