証券業協会が未公開株サギ対策?の規則改正を検討
6/10付としばらく前ですが、日本証券業協会のHPに、
新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について(案)
というパブリックコメントの募集が出ています。
これは、いわゆる未公開株サギを抑止するための制度改正(案)とのことです。
詳細は、パブコメの原文をお読みいただければと思いますが、
> 未上場会社が上場前に自己の株券等について個人投資家に対し募集等を行っていた場合には、原則として、当該未上場会社の新規上場時の株券の募集又は売出しの引受けを禁止する。
は、言葉通りに受け止めるとちょっとビックリします。
未上場企業が、いわゆるエンジェル投資家に出資をお願いすることが禁止されるのだとしたら、とんでもない愚策に思えてしまいます。
まだ、草案(パブリックコメント募集中)でもあり、また、「原則として」と例外があることも明らかですのでその後の顛末を見守りたいと思います。
ただ、この改正が、「未公開株サギ対策」としての効果があるのかは疑問です。
「この規制に該当するような投資家探しをしたらその会社は上場できない」というルール変更ですが、未公開株サギの首謀者側は、そもそも本気で上場する気がありませんので・・・・・
また、この制度を定め・周知することで、個人投資家が警戒・注意し、事件が減るということも期待薄なのではないでしょうか(本規則は、証券業協会の会員(証券会社)向けのマニアックなものですので・・・)
【参考過去記事】
「未公開株サギ」に関する被害防止対応連絡協議会報告書(証券業協会)(10/01/24)
未公開株に関するご注意(金融庁)(09/06/20)
またしても未公開株詐欺・・・・(09/06/17)
未公開株詐欺 「株安」と「ネット取引普及」が被害拡大を助長か(09/03/09)
未公開株事件緊急警報(山村証券)(09/03/06)
またまた未公開株事件(09/03/06)
未公開株商法が事件化(09/02/17)
新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について(案)
というパブリックコメントの募集が出ています。
これは、いわゆる未公開株サギを抑止するための制度改正(案)とのことです。
詳細は、パブコメの原文をお読みいただければと思いますが、
> 未上場会社が上場前に自己の株券等について個人投資家に対し募集等を行っていた場合には、原則として、当該未上場会社の新規上場時の株券の募集又は売出しの引受けを禁止する。
は、言葉通りに受け止めるとちょっとビックリします。
未上場企業が、いわゆるエンジェル投資家に出資をお願いすることが禁止されるのだとしたら、とんでもない愚策に思えてしまいます。
まだ、草案(パブリックコメント募集中)でもあり、また、「原則として」と例外があることも明らかですのでその後の顛末を見守りたいと思います。
ただ、この改正が、「未公開株サギ対策」としての効果があるのかは疑問です。
「この規制に該当するような投資家探しをしたらその会社は上場できない」というルール変更ですが、未公開株サギの首謀者側は、そもそも本気で上場する気がありませんので・・・・・
また、この制度を定め・周知することで、個人投資家が警戒・注意し、事件が減るということも期待薄なのではないでしょうか(本規則は、証券業協会の会員(証券会社)向けのマニアックなものですので・・・)
【参考過去記事】
「未公開株サギ」に関する被害防止対応連絡協議会報告書(証券業協会)(10/01/24)
未公開株に関するご注意(金融庁)(09/06/20)
またしても未公開株詐欺・・・・(09/06/17)
未公開株詐欺 「株安」と「ネット取引普及」が被害拡大を助長か(09/03/09)
未公開株事件緊急警報(山村証券)(09/03/06)
またまた未公開株事件(09/03/06)
未公開株商法が事件化(09/02/17)
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新ジャスダック JASDAQ上場申請レポート(JQレポート)
先日の記事でも「近日中に公表」と書いてました「JASDAQ上場申請レポート(JQレポート)」の様式が大証ホームページに掲載されています。
2010/06/18 新JASDAQ市場における新規上場申請様式(JASDAQ上場申請レポート)の公表について
従前のジャスダック「上場申請の報告書」(← 俗称「Ⅱの部」)に代えて、このJQレポートを提出することとなります。
JASDAQスタンダード用と、JASDAQグロース用に分かれており、いずれもJQレポートと該当事項申告書のセットで提出します
体裁の話になりますが、東証「Ⅱの部」に続いて、ジャスダックも「A4縦書」になります。
スタンダードでもグロースでも、大枠は共通ですが、いくつかの部分に違いがあります。
(例:利益計画(グロース用)=「先行投資型企業は,申請期以降の将来に関する記載について,必ず申請期から起算して6年間分が必要」)
経過措置があり、施行日後1年を経過する日までに上場申請する会社は、「現行の書類」+「追加資料」でもよいこととなっています。
新ジャスダックの関連諸規則が公表されています
本日付で、大証のホームページに、今秋に統合・発足する新ジャスダックの関連諸規則が公表されています。
ヘラクレス,JASDAQ及びNEOの市場統合に伴う関連諸規則の一部改正等について
http://www.ose.or.jp/rules/revise/20100614a.html
多数の規則が収録されており読むのは大変でうあ、「改正内容」のPDFに要点がまとめられています。
概要としては、以前、当ブログ過去記事でもお伝えしてきた内容から変更はない模様です。
まだ、詳細は確認できてませんが、以下気づいた点です。
・施行日は、2010年10月12日(火)です。
・施行日前日時点で申請中の会社については、現行市場の新規上場審査基準を適用する。
・申請書類としては、
・ジャスダック「上場申請の報告書」(← 俗称「Ⅱの部」)
・ヘラクレス「確認資料」
に代えて、「JASDAQ上場申請レポート」となりますが、
施行日後1年を経過する日までに上場申請した会社は、
「現行の書類」+「追加資料」でもよいとのことです。
本日の公表資料には入っていませんが、「JASDAQ上場申請レポート」の内容についても近日中に公表されるものと思われます。。。
【参考過去記事】
新「ジャスダック」はこんな市場です(10/03/01)
JQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について(10/02/19)
ヘラクレス,JASDAQ及びNEOの市場統合に伴う関連諸規則の一部改正等について
http://www.ose.or.jp/rules/revise/20100614a.html
多数の規則が収録されており読むのは大変でうあ、「改正内容」のPDFに要点がまとめられています。
概要としては、以前、当ブログ過去記事でもお伝えしてきた内容から変更はない模様です。
まだ、詳細は確認できてませんが、以下気づいた点です。
・施行日は、2010年10月12日(火)です。
・施行日前日時点で申請中の会社については、現行市場の新規上場審査基準を適用する。
・申請書類としては、
・ジャスダック「上場申請の報告書」(← 俗称「Ⅱの部」)
・ヘラクレス「確認資料」
に代えて、「JASDAQ上場申請レポート」となりますが、
施行日後1年を経過する日までに上場申請した会社は、
「現行の書類」+「追加資料」でもよいとのことです。
本日の公表資料には入っていませんが、「JASDAQ上場申請レポート」の内容についても近日中に公表されるものと思われます。。。
【参考過去記事】
新「ジャスダック」はこんな市場です(10/03/01)
JQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について(10/02/19)
こちらもIPO前から粉飾!(シニアコミュニケーション)
先日のエフオーアイのように社会的な騒動にはなっていないのですが、また衝撃的なニュースです。
マザーズ上場企業のシニアコミュニケーション(05年12月上場)は、IPO前から悪質な粉飾決算をやっていたそうです。
大注目の報告書が出ています。
外部調査委員会による調査報告書のご報告について
同社は、05/3期基準で上場していますが、05/3期の売上高は643百万円としていたものが、実は386百万円だったとのこと。
複数年にわたって粉飾に粉飾を重ねており、その累積額は2,246百万円です。(報告書 2ページ)
報告書は25ページにわたる大作で、とても読みごたえがあります。
ぜひ、原文に当たっていただきたいと思いますが、一部のみご紹介します。
以下報告書6ページより
・株式売却益による滞留売掛金入金填補(報告書 7ページ)
粉飾を重ねた結果行き詰まり、役員の個人資金(株式売却益)を入金して補てん!
・給与の架空計上による資金の還流(報告書 8ページ)
上記の補てん資金の不足を補うために、既に退職した社員の名義を使い、架空の給与を第三者口座に送金!
・ソフトウェアの架空計上による資金の還流(報告書 8ページ)
さらに補てん資金の不足を補うため、請求書偽造によるソフトウェアの購入費用の架空計上!
・MBO断念(報告書 8ページ)
架空計上の隠蔽のための一つの手法としてMBOを検討したものの、ファイナンスがつかず断念!
・売上計上基準がそもそもNG(報告書 16ページ前後)
同社は、工事進行基準によって売上計上を行っていたが、「進行基準を適用するに足る前提条件が存在しなかった」!
・不正送金による滞留売掛金入金填補(報告書 17ページ~)
粉飾売掛金を、長期滞留売掛金として問題視されないようATM経由や架空口座経由で当社口座に資金注入!
・残高確認の監査手続に対する犯罪行為(報告書 19ページ~)
作成ミスとして取引先から確認状を取り戻したり、会計士が確認状をポスト投函する際に尾行し、郵便局集配係が来るまで待ち伏せ確認状を回収するなどして、監査法人の残高確認手続きを無力化!
「ここまでやるか!」と思う徹底ぶりです。
同社は、東証から監理銘柄(審査中)指定及び監理銘柄(確認中)に指定されています。
本件が、エフオーアイと似ているのは、「IPO前からの粉飾(IPOのための粉飾)」ということに加え、
・市場は、東証マザーズ
・監査人は、小規模事務所(IPO時の監査人は新創監査法人、その後交代あり)
・主幹事証券は、みずほインベスターズ証券
ということでしょうか。。。。
エフオーアイも、本報告書のような詳細な事実解明がなされたらぜひ読みたいものです。
マザーズ上場企業のシニアコミュニケーション(05年12月上場)は、IPO前から悪質な粉飾決算をやっていたそうです。
大注目の報告書が出ています。
外部調査委員会による調査報告書のご報告について
同社は、05/3期基準で上場していますが、05/3期の売上高は643百万円としていたものが、実は386百万円だったとのこと。
複数年にわたって粉飾に粉飾を重ねており、その累積額は2,246百万円です。(報告書 2ページ)
報告書は25ページにわたる大作で、とても読みごたえがあります。
ぜひ、原文に当たっていただきたいと思いますが、一部のみご紹介します。
以下報告書6ページより
当社は、平成17 年1 月、主幹事会社をHS証券からみずほインベスターズ証券に変更した。上場準備は、馬谷氏及び同人の部下であったX氏によって進められたが、それに合わせて、馬谷氏は、X氏に対し、架空売上の計上を含む不正会計処理に協力するよう指示した。 具体的には、売上の前倒し計上(進行基準表の作成)、途中で頓挫・減額された案件や売上計上後入金されない案件のATMからの入金填補処理、監査法人への説明会計証憑(発注書、検収書等)の偽造、残高確認書に関する処理(郵便局への回収、残高確認状のポスト投函)などの、犯罪行為を含む不正行為に協力するよう指示した。 |
・株式売却益による滞留売掛金入金填補(報告書 7ページ)
粉飾を重ねた結果行き詰まり、役員の個人資金(株式売却益)を入金して補てん!
・給与の架空計上による資金の還流(報告書 8ページ)
上記の補てん資金の不足を補うために、既に退職した社員の名義を使い、架空の給与を第三者口座に送金!
・ソフトウェアの架空計上による資金の還流(報告書 8ページ)
さらに補てん資金の不足を補うため、請求書偽造によるソフトウェアの購入費用の架空計上!
・MBO断念(報告書 8ページ)
架空計上の隠蔽のための一つの手法としてMBOを検討したものの、ファイナンスがつかず断念!
・売上計上基準がそもそもNG(報告書 16ページ前後)
同社は、工事進行基準によって売上計上を行っていたが、「進行基準を適用するに足る前提条件が存在しなかった」!
・不正送金による滞留売掛金入金填補(報告書 17ページ~)
粉飾売掛金を、長期滞留売掛金として問題視されないようATM経由や架空口座経由で当社口座に資金注入!
・残高確認の監査手続に対する犯罪行為(報告書 19ページ~)
作成ミスとして取引先から確認状を取り戻したり、会計士が確認状をポスト投函する際に尾行し、郵便局集配係が来るまで待ち伏せ確認状を回収するなどして、監査法人の残高確認手続きを無力化!
「ここまでやるか!」と思う徹底ぶりです。
同社は、東証から監理銘柄(審査中)指定及び監理銘柄(確認中)に指定されています。
本件が、エフオーアイと似ているのは、「IPO前からの粉飾(IPOのための粉飾)」ということに加え、
・市場は、東証マザーズ
・監査人は、小規模事務所(IPO時の監査人は新創監査法人、その後交代あり)
・主幹事証券は、みずほインベスターズ証券
ということでしょうか。。。。
エフオーアイも、本報告書のような詳細な事実解明がなされたらぜひ読みたいものです。
Tag : シニアコミュニケーション粉飾
TOKYO AIMは大誤算? (市場開設 1周年)
Yahooニュースで、TOKYO AIMの市場開設1周年という記事が出ていました。
東証プロ市場の大誤算 開設1年で上場ゼロ(Yahooニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100601-00000593-san-bus_all
以下、一部引用です。
当初から、心配をしていましたが・・・・・
【 参考過去記事 】
『TOKYO AIM』 ついに始動? (09/05/31)
J-Nomad は6社がエントリー(TOKYO AIM) (09/06/12)
(雑談)TOKYO AIM (09/06/13)
TOKYO AIM上場ガイドブック (トーマツ)(09/10/20)
TOKYO AIMに、「社債」上場?(10/01/19)
東証プロ市場の大誤算 開設1年で上場ゼロ(Yahooニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100601-00000593-san-bus_all
以下、一部引用です。
海外機関投資家を国内市場に呼び込むための起爆剤と期待されたが、08年秋の金融危機による株価低迷で、IPO(新規株式公開)が冷え込んだ市場環境が主因。上場誘致や審査を担う大手証券会社からは「案件が小さく、割に合わない」との声も出ており、存在意義すら問われかねない事態だ。 「(上場第1号が)いつになるのか分からない。関心を示している企業は増えているはずだが」 東京AIM取引所の村木徹太郎社長はため息をつく。 |
当初から、心配をしていましたが・・・・・
【 参考過去記事 】
『TOKYO AIM』 ついに始動? (09/05/31)
J-Nomad は6社がエントリー(TOKYO AIM) (09/06/12)
(雑談)TOKYO AIM (09/06/13)
TOKYO AIM上場ガイドブック (トーマツ)(09/10/20)
TOKYO AIMに、「社債」上場?(10/01/19)
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