第一生命保険相互会社
会社名: 第一生命保険相互会社
URL : http://www.dai-ichi-life.co.jp/
・事業内容: 生命保険業
・基準期: 2009/03
・市 場: 東証一部
・主幹事証券: 野村、みずほ、メリルリンチ
・監査法人: 新日本
・証券代行: みずほ
・印刷会社: 宝印刷
・想定発行価格 150,000
・上場時株数 10,000,000
・想定発行価格ベース時価総額(百万円): 1,500,000
ひと言コメント:以下の記述は「凄い」に尽きます。
4.株式会社化・上場に係る費用 当社は、通知物の印刷・郵送費用及び株式会社化専用コールセンター委託費用等の保険契約者とのコミュニケーションに係る費用をはじめ、株式会社化・上場に要する一時的な費用として、平成20年3月期から平成23年3月期にかけて約287億円を要すると見込んでおります。その内訳は、平成20年3月期以前に約2億円、平成21年3月期に約57億円、平成22年3月期約166億円、平成23年3月期は約60億円となっております。 |
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マザーズ第1号の闇(日経ビジネスオンライン)
日経ビジネスオンラインで、IPOにも関連する反社ネタが記事になっていましたのでご紹介しておきます。
「東証マザーズ第1号」オーナーの身に起きたこと(日経ビジネスオンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100222/212927/
つい先日、逮捕者が出たトランスデジタル(08年9月にジャスダック上場廃止)の事件は、反社会的勢力や共生者の関与があったとされていますが、逮捕者のひとりは、東証マザーズ第1号のリキッドオーディオジャパンのオーナーでもあった人物とのことです。
皆様お気を付けください。。。
【参考過去記事】
反社会的勢力対策は超重要です(08/06/22)
暴力団排除条項(暴排条項)をお忘れなく(08/09/01)
将来有望なエグジット予備軍? 「VentureNow300」
VentureNow300というものが発表されてます。
http://www.venturenow.jp/venturenow300/
「VentrueNow編集部が将来有望な“エグジット予備軍”として選定したベンチャー企業300社」
とのことで、
「近い将来、この中から多くのベンチャー企業が何らかのエグジットを果たし、日本・世界を代表する企業へ躍進していくことを確信しております。」
と結ばれています。
この賞がどれほどのものかは存じ上げませんが、元気のある会社がたくさんあることは頼もしいことです。
基準満たす企業 22%減(帝国データバンク)
帝国データバンクから、
「上場基準突破企業動向調査」という調査レポートが公表されています。
・リリース文
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p100205.html
・調査レポート
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p100205.pdf
見出し文は、
上場基準突破企業1462社、前年比22.6%の大幅減
~ 世界的金融危機の影響大きく、今後もさらに減少するおそれ ~
です。
調査は、同社のデータベースのうち、未上場企業で東証二部の上場基準(形式基準)を満たす企業数を集計しているもので、景気悪化によって基準を満たす企業が大幅に減少しているとの報告になっています。
詳細は、レポート本文をお読みください。
本調査報告と、これからのIPO企業数に高い相関関係があるかというと必ずしもそうとも言えない面あるとは思いますが、参考までに紹介しました。
シーボン 上場体験談(ジャスダックHP)
2009年9月11日にジャスダックに上場した株式会社シーボン(代表取締役社長 金子 靖代氏)の上場体験談がジャスダックのHPに掲載されています。
(メールマガジン「JASDAQ IPO WAVE」としても配信されています)
JASDAQ上場を達成した会社の体験談 株式会社シーボン 代表取締役社長 金子 靖代 殿
http://www.jasdaq.co.jp/list/taiken/taiken4926.jsp
詳細は、原文を直接お読み頂ければと思いますが、同氏が管理本部長だった時のことの部分のみ引用してご紹介します(下線は私が付しました)。
管理本部長となり、まず原動力となるスタッフを探すことから始めました。上場準備の過程で多くの人が当社へ入社されましたが、ただ単に経験豊富なスタッフを集めるだけでなく、従来からいる社員とのギャップをいかに埋めていくか、ということを常に念頭におき、社員の志を一つにするよう努めました。 |
社歴・伝統がある会社さんでは、従来からいる社員の協力も得つつ、新たに参加した社員のモチベーションも高めなければいけないという難しさがあり、同社もそれで苦労されたようです。
上場準備中の会社の方には、 他社分も含めて体験談を一読されることをオススメいたします。
(ジャスダック以外の市場が想定市場の会社さんでも)
ジャスダック証券取引所は、精力的に上場体験談を公開・更新されておりとても良い取組みだと思います。
(その他の取引所はこのような取組みはほぼ皆無でしょうか。ヘラクレスが頻度は少ないですがメールマガジンで体験談を配信している程度かと思います。)
ジャスダック証券取引所 「上場を達成した会社の体験談」
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_40.jsp
ダイト
会社名: ダイト
URL : http://www.daitonet.co.jp/
・事業内容: 原薬の製造販売及び仕入販売並びに製剤の製造販売(受託製造を含む)及び仕入販売
・基準期: 2009/05
・市 場: 東証二部
・主幹事証券: 大和証券キャピタル・マーケッツ
・監査法人: あずさ
・証券代行: 中央三井
・印刷会社: プロネクサス
・想定発行価格 1,370
・上場時株数 8,686,968
・想定発行価格ベース時価総額(百万円): 11,901
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Paltac
会社名: Paltac
URL : http://www.paltac.co.jp/
・事業内容: 化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業および物流受託事業等
・基準期: 2009/03
・市 場: 東証(所属未定)
・主幹事証券: 野村
・監査法人: あずさ
・証券代行: 三菱UFJ
・印刷会社: プロネクサス
・想定発行価格 2,300
・上場時株数 37,235,657
・想定発行価格ベース時価総額(百万円): 85,642
ひと言コメント:最近珍しい「子会社上場」(もともとJASDAQ上場企業)です。 以下、目論見書、「沿革」より。
上場廃止ならびに親会社との経営統合後4年以上が経過し、当初の統合目的であった親会社グループ内事業の再構築がほぼ達成された結果、親会社グループ内の事業は、医療用医薬品卸売事業と当社の事業フィールドである化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業とに明確に分かれる形となりました。各事業の異なるステークホルダーに対し、各々の事業内容等についての説明責任を果たし、理解を得ていくことが、それぞれの事業発展に資するものと考え、また今後更なる競争激化が予想される化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界において競争に勝ち残るため、親会社グループからの独立性を確保し、独自の資金調達、迅速な意思決定のもと、積極的に事業展開を図ることで企業価値を向上させることを目的に再上場することにいたしました。 |
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JQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について
今秋予定のジャスダックとヘラクレスの市場統合について、
ジャスダックと大証の両取引所から、
「JASDAQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について」
が公表されています。
後日改めて主な内容をご紹介しようと思いますが、
新市場の「上場審査基準(数値基準)」などが明らかにされており、IPO準備会社さんにとっては要注目の内容です。
JASDAQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について(ジャスダックHPより)
↑
資料1の「上場審査基準(数値基準)比較表」など注目です。
JASDAQ・ヘラクレスの市場統合に伴う諸制度の整備について(大証HPより)
↑
こちらが詳細情報です。
なぜIPO準備は上手くすすまないのか? の続き の続き
前回、いかにIPO準備を「上手に出来るか」がポイントと書きました。
「上場準備は、上手に進めましょう」と言うのは簡単です。
社内でもそのような話題になるでしょうし、社外の関係者(株主、証券会社、監査法人など)も、口を揃えてそう言うでしょう。
ただ、具体的にそれを実行しようとすると、???となってしまうケースが多いのではないでしょうか。
・社長を含め、社内の人材は、その殆どが上場準備作業は、初めての経験。
・上場準備における取組みは、経営面に大きな影響を与えるものが多く、社外関係者からのアドバイスを意味もわからず「何でも即実行」というわけにはいかない。
(同時期に、外部の関係者(複数)から異なるアドバイスを受けて戸惑うケースも多いようです)
・社外から良く出るアドバイスとして、「即戦力(経験者)の採用を」というのがあるが、それなりの要職を社外から採用することは、経営上簡単なことではない(社内の人事バランスへの悪影響を心配・良い人材の選考方法がわからないなど)。
(「社外から強く言われたので経験者を高い報酬で採用したのに・・・・(上手くいっていない)」という話もよく聞きます)
うまく行かないケースばかり書いていますと、「じゃあどうすればいいんだ!」となってしまいますが、
まず大切なこととしては、
①ベンチャー企業の場合には、社長さんがそれなりに上場準備作業に深く関与すること
②信頼できる社外関係者からのアドバイスにしっかり耳を傾けること
あたりでしょうか。
①について
社長さんが実務作業に加わる必要はありませんが、上場準備の各種の取組みは、殆ど全てが会社の経営(経営方針・業績・人事政策など)に深く関係しています。
この、経営方針・業績・人事政策などに最も関心をも持っているのは社長さんであり、また上手く行かなかった場合に最も困るのは社長さんです。
そんな大事なことを他人任せにしてしまうことはオススメできません。
ありがちな、(Q)上手く行っているか? (A)順調に進んでいます という進捗管理では不十分です。
私は、ベンチャー企業の上場準備の場合には、社長さんに「当社にはどのような課題があり、どの課題をいつまでにどういう状況にしなければいけないのか」をしっかり把握・理解して頂く必要があるものと考えています。
もし社長さんが「難しくてよく分からない」と思うことがあるとしたら、その事実だけをもって、その会社さんの上場準備作業は「黄色信号」が灯っていることを意味していると思います。
上場準備を行うレベルまで企業を成長させてきた人物(社長さん)が「分からない」話があるとしたら、多くの場合、説明をする側に何らかの問題があると思います。課題をしっかり理解しており、十分なコミュニケーション力があれば、「簡単にまとめると当社のこの点がこういう理由で問題だとされており、いつまでにこうしないといけないんですよ」といえるはずです。
課題について正しく理解できていなければ、当然に正しい方向には向かいません。また、理解は出来ていてもコミュニケーション力が足りなければ、社外の各種関係者との折衝が上手くいかないでしょうし、それ以前に上場準備プロジェクトとして社内を上手く動かすことも出来ていないかもしれません。
それと、社長と社外関係者とのコミュニケーションでも同じことがいえます。時として、社外関係者は、専門用語を用いた難しめの会話をしてきます(そちらサイドのコミュニケーション力に問題がある場合もあるのですが・・・)。意味が分からない話をされた場合には、「もう少し分かりやすく説明してもらえないか」と言えばよいと思います(そのままにしておくと理解したものとされてしまいます)。
上場準備会社の社長さんの殆どは、営業面(ビジネスを成長させること・安定させること等)が最大の関心事であり、なるべくこれに注力したいと考えています。が、そのためにも、中途半端なひと任せではなく、状況をしっかり把握した上で、任せられる人物に任せる(そして社長はビジネスに注力)という進め方がよいのだろうと私は考えています。
②について
やはり社外からのアドバイスには、耳を傾けた方がよいと思います。
当然のことですが、上場準備の実務については、株主、証券会社、監査法人などの社外関係者に一日の長があります。
ただし、「間違ったアドバイス」や「その相手先にとってだけ都合のいいアドバイス」というのに流されるのは避けたいところです。これは、どの組織(企業)からのアドバイスに乗るべきという話ではなく、担当者(や責任者)との信頼感の大小で判断すべきところかと思います。
これで、このシリーズ(全3回)は終わりです。
日頃思っていることを取り留めなく書いてしまってので、上手くまとまっていませんが、参考にして頂けることあれば幸いです。
【参考過去記事】
なぜIPO準備は上手くすすまないのか? (10/01/28)
なぜIPO準備は上手くすすまないのか? の続き (10/02/07)