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大証新興市場(JQ & ヘラ)、統合まで残り1年


ジャスダックとヘラクレスの統合について、ニュース記事を見つけましたのでご紹介しておきます。

大証新興市場、統合まで残り1年 「対東証」明確に (msn産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090925/fnc0909250026000-n1.htm

以下ポイントにつき引用です。

>大証は10月下旬に統合新興市場の青写真を公表する予定だが、東京証券取引所第1部への“通過市場”とならぬようさまざまな特徴を打ち出す方針だ。「地域振興」をテーマに全国の地方銀行や商工会議所と提携して上場企業を発掘することや、機関投資家を呼び込むために上場企業に対するアナリストレポートの提供、昼休み時間の取引実施などが盛り込まれることがこれまでに固まった。

> 新市場は企業の安定性を重視した「スタンダード」と、成長性のある企業を集めた「エマージング」(いずれも仮称)の2区分とすることはほぼ固まった。ジャスダックの中で技術力の高い企業を集めた市場「ネオ」もエマージングに取り込む方向だ。

>大証首脳は「上場企業が将来も東証に行く必要はないと思ってもらえるような新市場をぜひつくりたい」と意気込んでいる。 



これはニュース記事であり、正式なリリースが出ているわけではありませんので、10月下旬とされている公表を待ちたいと思います。
が、「将来も東証に行く必要はないと思われる市場」というのはとても難しいテーマだと思います。



(参考過去記事)

大証とジャスダックの行方? (09/08/03)

ジャスダックと大証の行方は?(市場統合あり方委員会) (09/06/30)

ジャスダックと大証ヘラクレスの統合の行方は? (09/04/07)

ジャスダック-大証 「市場統合のあり方に関する委員会」 (09/03/12)

日証協がジャスダック株の大証への売却を決定 (08/04/11)


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Tag : ジャスダックヘラクレス統合新市場NEO大阪証券取引所大証上場IPO

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珍しい資本政策事例(デ・ウエスタン・セラピテクス研究所)

来月にNEOに上場するデ・ウエスタン・セラピテクス研究所の資本政策について、珍しいケースだと思いますので紹介しておきます。

同社は、今年の7月に増資(第三者割当)を実施しています(4億円)。
基準決算期(直前期)は、08年12月期ですので、上場申請期になって増資をしていることになります(しかも下期)。

同社は研究開発型の創薬系バイオベンチャーですので、資金支出が上場後も当面続く会社さんです(「マイルストーン開示」によると開示対象3期目である2011年12月期でも赤字見込みです)。
直近の現預金残高は、
・08年12月末:381百万円
・09年6月末(第2四半期末):214百万円
これまでも毎年3~4億円の資金を必要としてきており、現預金残高が減少してきたために増資を行ったのだろうとは思われますが、上場申請期の増資実行は珍しいケースです。
ただし、他の上場準備会社さんが本件を参考事例として扱うことには注意が必要です。
キャンバス社の事例紹介でも書きましたが、上場直前期や申請期の資本政策については、主幹事証券会社などと十分に協議の上で(主幹事証券の理解・了承を得た上で)実行をすべきところです(本件も当然にそれをやっているはず)。
他社事例を見て、勝手な判断で「増資」・「ストックオプション」・「株移動」などを行ってしまうと、取引所が定める「上場前規制」や金商法の規制などには何ら抵触していなかったとしても、『致命傷』として上場が出来なくなってしまう可能性も秘めています。

上場準備会社にとって、「資本政策」はそれほどデリケートなものですので、慎重にご対応ください。

・参考過去記事:「資本政策」はとても大切?(08/01/04)


なお、同社のこれまでの株価の推移にも注目です。
今年7月の増資は、@250円ですが、その前回の増資(08年4月)は@80,000円です(その前も前の前も)。その後の100分割を考慮すると@800円です。前回に出資した株主(VC)の保有株は1年ちょっとで約1/3の価値になってしまったことになります。
IPO時の想定発行価格(目論見書)は@290円となっておりますが、どうなることでしょうか。

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Tag : IPOダウンラウンド事例VC

デ・ウエスタン・セラピテクス研究所

上場日: 2009年10月23日
会社名: デ・ウエスタン・セラピテクス研究所
URL : http://www.dwti.co.jp/
・事業内容: 医薬品の研究開発
・基準期: 2008/12
・市 場: NEO
・主幹事証券: 野村證券
・監査法人: 有限責任監査法人トーマツ
・証券代行: 三菱UFJ
・印刷会社: 宝印刷
・想定発行価格 290円
・上場時株数 16,710,500
・想定発行価格ベース時価総額(百万円): 4,846

ひと言コメント:
当社の創業者・大株主であり開発研究所長である日高弘義氏と、代表取締役社長の日高有一氏は親族関係あり(推測)。


事業等のリスクは、下の「続きを読む」で

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新日本有限責任監査法人、2009年6月期は経常損失 13億円


新日本有限責任監査法人のB/S、P/Lなどが9/18付けで公表されています。


第10期 業務及び財産の状況に関する説明書類の公表に当たって(新日本有限責任監査法人ニュースリリース)
http://www.shinnihon.or.jp/corporate/press/200909180000.html

第10期 業務及び財産の状況に関する説明書類
http://www.shinnihon.or.jp/static/upload_file/corporate/press/20090918.pdf


これまで監査法人の決算は非公開でしたが、「有限責任監査法人」は、毎期、B/S、P/Lなどが含まれる「業務及び財産の状況に関する説明書類」を公衆縦覧に供することが義務付けられています(公認会計士法第34条の16の3第1項)。

新日本・・・は、真っ先に有限責任監査法人となりましたので、決算内容の公表もトップバッターです。

決算の中身については、これまでも同法人は赤字決算であろうということは業界内ではよく耳にしていましたので、サプライズではありません。

業績についての説明として、

内部統制監査、四半期レビュー制度の導入初年度に当たり、上場会社の監査業務収入は大幅に増加しましたが、前年度に収入のあった内部統制の事前導入支援の非監査業務が減少し、また金融危機の影響により、金融、不動産などに係る任意監査業務などが減少しました。
さらに、企業破綻の増加、企業再編の加速などにより、上場会社数自体が減少したことも影響しました。

とのことです。

少し表現を変えると、
・監査業務収入は大幅に増加 = 1社ごとの監査報酬のアップ(値上げの実施)
・内部統制の事前導入支援の非監査業務が減少 = J-SOXバブルは終了
・上場会社数自体が減少 = 企業破綻増加、企業再編加速、監査法人変更(中小など他の監査法人へ)
ということでしょうか。

より詳細は、「説明書類」本文をお読み頂ければと思います。

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Tag : 有限責任監査法人説明書類公衆縦覧決算書財務諸表赤字

キャンバスが大人気


本日(9/17)にマザーズ上場したキャンバス社は、初値が付きませんでした。

公開価格 2,100円 → 4,530円(買い気配)

明日には初値が付くのではないかと思いますが、どのような株価の動きになるのでしょうか。
現状は、多数の株主(VC)にロックアップがかかっていることから需給のギャップが大きい状況ではありますが、「初値形成後」に「公開価格の1.5倍(=3,150円)」でロックアップが解除されます。

同社のロックアップについては、以下ニュース記事も参考になります。
公開価格1.5倍の3150円で解除 日本初!?キャンバスのロックアップに注目(NSJ日本証券新聞)
http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=177056&dt=2009-09-16

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Tag : IPOロックアップ解除1.5倍2倍VC初値形成

エス・ディー・エス バイオテック 上場体験談(ジャスダックHP)

2008年12月8日にジャスダック上場した株式会社エス・ディー・エス バイオテック (取締役管理部長 高橋 順一氏)の上場体験談がジャスダックのHPに掲載されています。
(メールマガジン「JASDAQ IPO WAVE」としても配信されています)

JASDAQ上場を達成した会社の体験談 株式会社エス・ディー・エス バイオテック 取締役管理部長 高橋 順一 殿
http://www.jasdaq.co.jp/list/taiken/taiken4952.jsp


上場のプロセスを上手く説明されていますが、注目ポイントとしては、
>(3)上場作業中の難題
> 上記にご紹介いたしました諸作業の中でも特に苦労したのが、「過年度決算修正」
> と「反社会的勢力との関係排除体制の確立」でした。



「反社会的勢力・・・・」については、これまで何度も本ブログで触れてきましたので、「過年度決算修正」 についてコメントしたいと思います。
上場準備会社の方とお話しすると、監査法人監査を受けるのは2年間(直前々期・直前期)ということで、直前々期より後の期間だけを正しい(財務会計ベースの)財務諸表にすればよいとの認識をもたれているケースが多いです。
が、開示対象となるのは5年間(原則)で、「特別情報」という題目で直前々期よりも前の3期分も財務会計ベースの財務諸表を開示することとなります。
「監査法人の監査対象ではない」ということで、この「特別情報」の期間の財務諸表については監査法人はその立場上、多くを語らない(良いとも悪いとも)ケースが通常です。
確かに、監査証明の対象ではないため「どこまで正確な財務諸表でないといけないのか?」というところが実務上とても難しいところです(監査人は特別情報についてはコンフォートレターの対象にもしません。従来はあまり気にせずコンフォート対象に含められていたのですが・・・・・)。
エス・ディー・エス社の場合、『財務局』から決算修正を指示されたとのことで、「今、思い返せば、あの時点での(決算修正の)決断が少し遅れていたら、昨年中のIPOはなかったかもしれないと思います。」とのメッセージが事の重大さを示していると思います。
過年度決算修正をしたかどうかは一般投資家にはわかりませんので、実務において、どれ位の会社が上場にあたって過年度決算修正をしているかについて比率などを求めることなどはできませんが、相当数の会社が行っていることだと思われます(同社が特別なのではありません)。
「監査対象でもないのに、何で5年前の決算書を修正しなければいけないのか?」というのが、決算修正を求められた企業(経営者)としての通常の反応ともいえますが、不正確な財務諸表を開示して(しようとして)後々面倒なことが起こりかねないことを考えると、いろいろと柔軟(?)な対応が必要ということでしょうか。




上場準備中の会社の方には、 他社分も含めて体験談を一読されることをオススメいたします。
(ジャスダック以外の市場が想定市場の会社さんでも)
ジャスダック証券取引所は、精力的に上場体験談を公開・更新されておりとても良い取組みだと思います。
(その他の取引所はこのような取組みはほぼ皆無でしょうか。ヘラクレスが頻度は少ないですがメールマガジンで体験談を配信している程度かと思います。)

ジャスダック証券取引所 「上場を達成した会社の体験談」
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_40.jsp

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Tag : 上場体験談IPOコンサル上場コンサル

「時代のニーズをとらえたIPO銘柄」が株価好調

今週の日経ヴェリタスに、珍しくIPO関連の記事が出ていました。

新規上場組、ニーズとらえ株価上昇(09/9/13)

記事では、08年1月以後に上場した銘柄(上場時に公募を実施した銘柄のみ)についての、株価の騰落率ランキングが出ています。
(騰落率は、公開価格と9月11日終値の比較)

記事では上位50位までについて、騰落率・時価総額・予想PER・上場日という情報が掲載されていますが、ここでは上位10位までをあげておきます。

【以下記事より引用】
1.大幸薬品 (533.00 %)
2.エス・エム・エス (462.17 %)
3.テラ (458.06 %)
4.デジタルハーツ (339.95 %)
5.クックパッド (190.53 %)
6.トライステージ (158.00 %)
7.グリー (156.06 %)
8.データホライゾン (148.48 %)
9.大研医器 (126.96 %)
10.JCLバイオアッセイ (119.67 %)

上位10社は、公開価格から2倍以上になっており、上場日からの日数(最長でも1年半)を考えるととても高い株価パフォーマンスとなっています。
記事によると、
医薬、介護、ネットに、通販・・・・。昨年1月以降に新規上場を果たした銘柄の株価騰落率をランキングしたところ、上昇率上位には時代のニーズをとらえた銘柄が顔をそろえた。」(注:下線は私が付しました)
と分析されています。
特に、医薬・バイオ・ヘルスケア系が健闘しているようにみえます。

それと、上位の顔ぶれを見ますと、上位10社のうち5社は今年(09年)の上場銘柄です。
本ランキングは08年1月以降に上場した会社です。
新規上場会社数は、08年が49社、09年は10社(集計時点まで)ですので、この割合からすると上位10社のうち5社が今年上場銘柄というのは、今年上場組は昨年より株価面で高パフォーマンスということがいえそうです。
今年上場組については株式市況が特に悪く、公開価格が低く設定されたという理由もあるのだろうとは思いますが、高パフォーマンスの銘柄が相当数あるということは、今後のIPO復活(?)に向けては、良いニュースだと思いました。

なお、ランキングでは30位までがプラスの騰落率ですが、31位以下はマイナスです。ざっくり半数の企業は公開価格を維持できていないというのも現実です。

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Tag : IPOランキング騰落率公開価格

(読書録)社長解任 株主パワーの衝撃

面白い本でしたので紹介します。



帯には、
『アデランスの社長はなぜ「クビ」になったのか? 数々の経営権を巡る紛争を勝ち抜いてきた辣腕弁護士たちが初めて明かす、委任状争奪戦の舞台裏 <クビにならないための必読書!>』
刺激的な宣伝文が書かれています。

著者は、三井法律事務所とシティユーワ法律事務所に所属する5名の弁護士により書かれたもので、
『わが国において、委任状争奪戦や買収攻防戦を攻守両面で最も多く経験している弁護士チームのひとつ』
と本書冒頭に書かれていましたので、相応にこの世界での実務経験が豊富な方たちのようです。

内容としては、昨今増加している、いわゆる「モノ言う株主」が現経営陣に対して不信任を突きつけ、社長をクビにするような事例についての事例分析と、そうならない為に会社が出来ること・やるべきことが書かれています。

第1章において、事例として紹介されている「アデランス」、「テンアローズ」、「すかいらーく」、「日本精密」、「東京衡機製造所」の話もうまくポイントを説明されており、
また、第2章の「買収防衛策、ホワイトナイト、MBOでクビは防げるか?」、第3章の「ある上場会社の社長がクビになるまで」も面白く書かれています。

本書の結論としては、上場会社の経営陣は、常日頃から外部株主をないがしろにすることなく、あたりまえの事(業績向上への努力、株主とのコミュニケーション、IR活動など)をあたりまえにやるということだということに尽きるようです。

最終章において、「クビにならないための7箇条」という提言が示されていますが、その「7」では、『頼りになる確かな弁護士を探そう』と、経験豊富な弁護士を見方につけるべき、弁護士事務所の名前(組織)ではなく、その中のどの弁護士かということ(個人)が重要だということで結ばれています(本書を上手く商売に結び付けているなぁと関心いたしました)。
ただ、この点は、とても納得です。もしもですが自分が委任状争奪戦や買収攻防戦に関わるようなことがあった場合には、本書の著者の先生にお願いできないか真剣に考えるように思えます。

当方の本職であるIPOの世界でも、多くのIPOコンサルタント・アドバイザーがいる世界です。が、能力・経験はバラバラで、玉石混交の世界です。 『頼りになる確かなIPOコンサルタントを』となった場合に、ご指名頂けるような存在になれるよう努力したいと思います。

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監査法人「元和」始動!

一部マスコミ等から「問題企業の駆け込み寺(のような)監査法人」と呼ばれていました監査法人ウイングパートナーズが7月に金融庁から業務停止の処分を受けたことに関連して、同法人が監査していた上場企業が、監査人を変更(異動)しています。

先日も記事にしましたが、監査法人ウイングパートナーズの(元)監査クライアントの多くが後任監査人として「監査法人元和」を選任しているようです。

監査法人元和ホームページ
http://www.genwa.org/index.html

人材募集中のようです。
以下、HPより引用です(なかなかアツいメッセージです)。

新設の監査法人って聞くと、『教育研修は大丈夫なんだろうか?』、『キチンとした実務経験を積めるんだろうか?』、『リスクはどうなんだろう?』という不安があるかもしれません。

でも、そもそも『士』業って自ら道を極めていくって志がないとダメだと思うんです。そのような志を持った『士』であれば、能書きは不要です。

それに、初期のメンバーとして自らの手で組織を作り上げていくほど面白いことってないですよ。監査法人元和を守り立てる真の『士』をお待ちしています。』



こんな記事もみつけました。
次の「駆け込み寺」か…監査法人元和 (ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/top/200908/t2009081951_all.html

今後の進展(?)に注目でしょうか。

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Tag : 監査法人ウイングパートナーズ元和