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「東証上場の手引き」、「マザーズ上場の手引き」の最新版発売


東証から発売されている「東証上場の手引き」、「マザーズ上場の手引き」の09年版が発売されています。

●東証HP:新規上場の手引きを発刊しました(東証1部、2部)

●東証HP:マザーズ上場の手引きを発刊しました

早速中身を見てみましたが、特段大きな変更点はなく株券電子化への対応などマイナーチェンジです。
が、東証(本則もしくはマザーズ)への準備を進められている会社さんについては、常に最新版を持たれたほうがよいと思いますのでお買い求めになることをオススメいたします。
(証券会社さんなどから頂けることもありますが)


参考記事: IPO参考書籍
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テーマ : IPO - ジャンル : 株式・投資・マネー

Tag : 東証上場の手引きマザーズ上場の手引き09年

「不適切なファイナンス」が大流行?


公認会計士協会主催の「不適切なファイナンスへの対応について」という研修会に参加してきました。

この3月期決算に向けて会計士に対する緊急情報ということで開催された研修会で、証券取引等監視委員会の方がお話下さいました。

内容は、こちらにとてもよくまとまっていますのでご参照下さい(著名ブロガーさんのブログです)。
「あやしいファイナンス」の見分け方(isologue)

冒頭の説明で、記憶に残ったのは、
・暫く前までは、不適切なファイナンスは、新興市場に上場しているごく一部の企業が行っていたことであるが、東証一部・二部上場企業などにも広がっており、一部の企業だけが行うというものではなくなっている。
・景気の急速な減退により、財務内容が大幅に悪化している企業が大量に発生しているため、08年9月期決算(9月決算会社)や08年12月期決算(12月決算会社)が、昨年末から今年にかけて「不適切なファイナンス」をかなり多数実行した。3月決算会社において、この3月末から6月位にかけて、かなりの「不適切なファイナンス」が実行されるのではないかと強く警戒している。
とのことでした。

資本市場を利用した錬金術が横行するのは、「市場の信頼性・公平性」という観点からはとても重大な問題だと思います。
今後に向けては、「上場企業については、第三者割当増資を取締役会決議だけでは出来ないようにする等」の制度面での見直しが検討されているようですが、ある程度はこの類の規制強化はしたほうがよいように思います(欧米との比較では、日本の制度が緩すぎる面があるようです)。



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Tag : 不適切なファイナンス怪しいファイナンスあやしいファイナンス問題上場企業BritishBirginIslandBVI

ゴーイングコンサーンについての制度改正


新聞記事にもなっていますが、「継続企業の前提に関する注記」(GC注記、ゴーイングコンサーン注記)の取扱いが急遽変更になるようです。


Nikkei ITPro 「ゴーイングコンサーン注記」を国際基準と合致へ,金融庁が監査基準改定案
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090324/327132/

ニュース記事の解説では、
>現行のゴーイングコンサーン注記の判断基準を国際基準に合わせて,投資家の不利益を避ける。国際基準のほうが事実上“緩い”ことから,業績を悪化させる企業が多い状況に対応する狙いもある。 というような説明がされています。

「監査基準の改訂について」(公開草案)の公表について(金融庁 3/26)
http://www.fsa.go.jp/news/20/sonota/20090326-3.html

あわせて以下も参考になります(GC注記に係る我が国と欧米の比較なんて資料もあります)。
企業会計審議会第19回監査部会議事次第(金融庁、3/24開催分)
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/kansa/20090324.html


GC注記問題は、
制度発足直後は、GC注記を付ける付けないの問題(「GC注記が付く」ということがとんでもないという議論)だったように思い出されますが、
この最近は、GC注記を付いた監査意見が表明されるか、監査意見不表明となるかの問題(GC注記は付いてもいいので意見表明をしてもらいたいと企業が思っても、監査人が監査意見の表明自体をしない)に論点が変わってきていたように感じています。
この制度改正で、またGC注記問題が新たなステージ(?)に突入していくのでしょうか。

なお、この時期に公開草案を公表して、「09年3月期の決算から適用」というのは、極めて異例のスピード改正ではないでしょうか。

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Tag : 継続企業の前提ゴーイングコンサーンGC注記

「IPO準備会社の中途採用」の難しさ(書類選考に関するアドバイス)

前回の「IPO準備会社の中途採用(経験者採用)」の難しさ の続きです。

IPO準備会社が、「IPO準備経験者」を探すというのは、かなり良くあることだと思います。
準備作業が上手く進んでいない場合、関係者(証券会社、監査法人、その他)から「IPO準備の経験者を採用した方がいいですよ」とアドバイスを受けることがあると思います。

そして、会社は「IPO準備経験者」を探すことになります。
探し方は、各種関係者からの直接紹介か、人材紹介会社を使うかのいずれかとなると思います。

まずは、書類選考です。

「IPO準備経験者」というざっくりとした求人を出した場合に集まる人材の職務経歴書には、
・Ⅰの部作成
・Ⅱの部作成
・上場申請書類作成
・主幹事証券会社対応
・監査法人対応
・VC対応
・社内諸規程の整備
・中期経営計画、予算策定
・資本政策策定
・増資、ストックオプション実務
・VCからの資金調達
・内部統制報告制度(J-SOX)対応
あたりの実務経験が書かれています。

書類選考を何とかクリヤーするために、積極的にアピールしているのだろうなぁと前向きに受け止めることにはしていますが、「この経歴や、在籍期間で本当にこれを経験したのかなぁ?」と疑問に思う書類も良く見かけます。

ひとつ気をつけなければいけないのは、『人材紹介会社は通常、職務経歴書の記載内容の真偽についてちゃんとした検証などはしていない』ということです。
「この人材はⅡの部作成を経験していますから」とか、「証券会社対応をやっていた人材です」のようなコトバで応募者の案内(推薦)がされますが、どの程度デキルのかについての検証はなされていないと思っておいた方がよいと思います。
勿論、通常の人材紹介会社は求職者の登録を受けるに当たってカウンセリング(面談)をしています。
が、IPO準備会社の人が応募者の能力・経験を上手く評価できないというのと同じで、人材紹介会社の方が、「IPO実務」の経験がどこまであるかについて評価できると思うほうが不自然です。

そして、次に気をつけなければいけないのは、『ちょこっと関与しただけで、立派な経験としてカウントされる』ということです。
上に挙げた各種項目は、ひとつひとつがかなり奥深い内容です。
例えば、Ⅰの部やⅡの部は、一人で作成するというものではなく、かなりの人数を巻き込んで作り上げていくIPO準備における重要な書類です。そのため、1つのIPO準備会社から「Ⅰの部、Ⅱの部作成経験者」が5人、10人名乗りをあげてもおかしくはありません。
以前、人材紹介会社の方から、『暫く前に上場した○○社にいる方で、「上場準備作業は自分が殆どやった」という方が我が社には2名求職登録されているんですよ』という話まで聞いたことがあります。
ひとつひとつの項目について、「自分でしっかりと纏め上げられる」という方(ホンモノ)と、「主体的にやったわけではないが、一部手伝った」という方(ニセモノ)が、職務経歴書においては似たような記載で見えてしまいますので要注意です。

あと、書類選考で見ているのは、転職回数や1社あたりの在籍年数です。
転職回数が多いことをもって即見送り(書類選考落選)とする会社もあるようですが、私は、IPO準備会社への中途採用については、『転職回数が多いというだけで即見送りにはしないほうがよいのでは』と思っています。
IPO準備会社では、未熟な管理体制を上場会社としての管理体制に変革させていく必要があります。出来上がった大企業での長期間勤続経験があるという人材(=転職回数は少ない)の場合、その人材がひとつの(その会社での)やり方しか考えが及ばない場合や、未熟な状況を受容れることができない場合などがあり、非常に未熟な状況から立て直していくという改革が上手くいかないケースも多くあるように感じます。
逆に、多くの会社で良い管理の方法・ダメな管理の方法を見てきている人材(=転職回数は多い)については、未熟な現状も受容れつつ、良い方法に導いていくようなことができる人材も中にはいるように思います。
そのため、あまり「転職回数」という数値には意味を持たせず、実質面で判断すればよいと思います。
転職回数が多くても構わないと言ったものの、あまりに回数多いのはそれだけで問題でしょうし、1社あたりの勤続年数が短い転職が続いている場合も当然マイナスです。また、職務経歴との関係で言えば、1年など短期間しか在籍していないのに「監査法人対応も証券会社対応も申請書類作成も中期経営計画策定もJ-SOXも経験した」と言われても、そんなのは大した経験ではないのだろうなと感じてしまいます。

いろいろ書きましたが、書類で人材の良し悪しを判断するのは限界があります。
そのため、これは明らかにダメだろうというのを落とすことに注力し、あとは面接で会ってみるしかないと思います。
前回も書きましたが、能力・経験も大事ですが、経営陣などとウマが合うかという要素がとても大切ですので、書類ベースで悪くなさそうであれば手広く面接をするしかないと思っています。
ということで、私が関与先会社の中途採用に関わる場合において、書類選考を手伝う場合には、「明らかに面接をしても時間のムダになるだろうなと思われる人材」を選別するということに徹しています。

次回「採用面接」編で完結の予定です。

Tag : IPOコンサル人材紹介会社中途採用経験者書類選考

会計監査六法(平成21年版) ※もう監査小六法とは呼びません


これまで「監査小六法」でしたが、今年から「会計監査六法」に呼称が変更されています。



監査小六法は、上場準備会社必須アイテムのひとつです。
毎年、規則の新設・改訂がありますので、最新のものを持っておく必要があります。



以下、1年前の記事を更新しました。

過去の監査小六法の成長(?)の歴史をまとめてみました。
特に平成18年から成長が加速しています。
  平成21年版 : 3,078ページ (注2)
  平成20年版 : 3,321ページ
  平成19年版 : 3,058ページ
  平成18年版 : 2,472ページ
  平成17年版 : 2,057ページ
  平成16年版 : 1,971ページ
  平成15年版 : 1,894ページ
  平成14年版 : 1,700ページ
  平成13年版 : 1,602ページ (注1)
  平成12年版 : 2,136ページ
  平成11年版 : 1,844ページ
  平成10年版 : 1,446ページ
  平成09年版 : 1,237ページ
  平成08年版 : 1,196ページ
  平成07年版 : 1,182ページ
  平成06年版 : 1,144ページ
  平成05年版 : 1,102ページ
  平成04年版 : 1,090ページ
  平成03年版 : 1,045ページ

(注1)12年から13年にかけてページ数が大幅ダウンしていますが、
 これは、紙面の大きさが13年から拡大した影響です(内容が減ったわけではありません)
(注2)21年から更にサイズアップ(B5版へ)しています。

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Tag : 会計監査六法監査小六法IPO

「IPO準備会社の中途採用(経験者採用)」の難しさ

しばらくぶりに、IPO実務に関する記事を書こうと思います。

この暫く、関与先会社(上場準備会社)での人事(中途採用)についてのサポートをしています(複数の会社で)。
人事(採用)については、IPOコンサルとしてのメインの業務ではありませんが、管理部門の責任者や経理部長、経理課長などを中途採用で外部から補充するような場合において、関与先会社からの要請があった場合に限りIPOコンサルの付帯サービス(おまけ)として、書類選考や人事面接の手伝いをしています。


【私が関与先の中途採用に関与する理由】
殆どの会社(経営者)は、IPO準備は初めての経験です。
証券会社対応や監査法人対応がスタートし、上場準備作業が本格化したところで、生え抜きの人材だけでは能力・経験等の面で対応が難しいと感じた場合、「中途採用によって人員を強化充実させよう」となります。
ただ、その時に会社(経営者)は、「どういう能力・経験の人材を採用すればよいのかがよくわからない」という状況になりがちなようです。また、「こういう人を採用すべき」というのがわかったとしても(証券会社や監査法人、ベンチャーキャピタルから「IPO準備の経験者を採用した方がよいですよ」と言われるケースはとても多いようです)、実際に面接の場において、応募者がIPOに関する専門用語を用いて「私は経験もあり、こういうことは出来ますので任せてください」と言われてしまうと、その内容自体が未知の領域であるがために能力・経験に関する評価が上手く行えず、「おぉ、この人は出来そうだ」となりがちです。
このような流れで行われるIPO準備会社の中途採用は、「採用時点でのミスマッチ」の発生確率が世間一般の中途採用との比較でもとても高いように感じています。

①社内の人材だけでは、能力・経験などの面でIPO準備に対応できない
         ↓
IPO準備が進まない(遅れる)
         ↓
③中途採用で社外の人材を求める(「IPO準備経験者」を募集)
         ↓
④「IPO準備経験者」が求人に応募(もっともらしい職務経歴をご披露)
         ↓
⑤会社(経営者)は、応募者の実力(能力・経験)について上手く評価できないものの、「任せてみよう」と採用決定
         ↓
⑥その人物が入社。会社(経営者)は、その人材にIPO準備を任せる(IPO準備の加速を期待♪)
         ↓
⑦その人材が、十分な能力・経験がなかった場合、IPO準備は停滞のまま
 (本人も、入社後に「実は出来ません・わかりません」とは言えず、後に引けないため間違った方向に「これでいいんです」と暴走することもある ← これは最悪)
         ↓
⑧暫く経ってからさすがに、能力不足・経験不足が明らかになり、会社(経営者)は「このままではマズイ・・・」と青ざめる(その人材を外す等の対応)
         ↓
⑨ふりだし(①)に戻る(①から時間だけが経過し、状況は悪化。以後これを繰り返し(?))

面白おかしく書いているわけではなく、こういうケースはかなり多いように感じています。
(もちろん、しっかりとした応募者の方もおられます)

私が関与している会社については、このようなミスマッチはなるべく避けて頂きたいと思い、中途採用におけるIPO準備や経理・財務の「能力・経験」の評価について、要請があればお手伝いをするようにしています。
(どういう人材が加わるかは、その会社のIPO実現可能性に大きく影響しますので、ある程度は関与しておきたいという気持ちもあります)

具体的には、
・人材紹介会社対応
 (人材紹介会社に対して「探している人物像」についての詳細説明、必要あれば人材紹介会社の紹介)
・書類選考
 (書類上で、応募者の職務経歴について「評価できる経験かどうか」の検討)
・採用面接
 (職務経歴について、「実際にどこまで経験してきているのか」の検討)
をしています。

あくまで「お手伝い」ですので、採用・不採用の判断主体は会社(経営者)です。
多くのIPO準備会社は人数規模も小さいこともあり、最も重要なのは「会社(経営者)とその人材のウマが合うか」だと思っており、ウマが合わなければ能力・経験が合致していてもうまくいかないと思います
そのため、応募者の「能力・経験」に関する参考評価を提供することに徹しており、性格面やコミュニケーション能力など人物評価は当然に会社(経営者)にやって頂いています。

また、この「お手伝い」は、会社(経営者)にそれなりに喜んで頂けているサービスなのですが、副次的には応募者のためにもなっていると思っています。
応募者の側からすると、その会社の管理部門の状況や、IPO準備の状況について多くを知りたいと思うはずですが、採用側と応募者という立場上も現実的には困難です(ヘッドハンティング的な採用の場合は別でしょうが、根掘り葉掘りの質問は出来ないでしょう)。
人材の側と逆の話なのですが、会社(経営者)としても、管理部門の状況や、IPO準備の状況を上手に説明できないことも多く、また少しでも良い人材に入社してもらいたいという気持ちから、良い情報を中心に説明してしまうことも多いと思います。
私は、応募者の方にある程度は客観的にその会社の状況をお伝えすることにしており、「この会社にはこういう課題が(沢山)あり、大変なポジションですよ。それを嫌がらずにやりがいと感じてくれる方を探しているんですよ」などネガティブ情報もある程度は提供するようにしています。
良い人材に入社してもらったとしても、応募者の方が「聞いていた話と違った」となってしまっては後々意味がないので、このようなミスマッチの可能性もなるべく抑えたいと思っています。


ただ、「能力・経験」に関する評価というのも本当に難しいものです。
IPO実務や経理実務については、ある程度会話をすれば、背伸び(経験の過大説明)をしている応募者は見破れるだろうという自負があるのですが(良い・普通・悪いのうち、良い・普通の判定は難しいとしても「悪い」は判別できるだろうという意味)、実は大失敗も経験しています(もの凄い自己嫌悪になります・・・・)。


長くなってしまったので、後日改めて、どういう視点で人事(中途採用)サポートをしているか(書類選考や面接で注目しているポイント)をもう少し詳しくご紹介しようと思います。



以下の過去記事もご参照ください(類似したような内容ですが)
 なぜ上場準備会社の人材は短期間で辞めるのか? (2008年07月29日)
 上場準備会社の採用ミスマッチを防ぐには (2008年07月31日)

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Tag : IPOコンサル人材紹介会社中途採用経験者

KOBE証券がIPO撤退


インヴァスト証券(旧社名 KOBE証券)が、IPOから撤退するようです。

組織変更および人事異動に関するお知らせ
http://www.invast.jp/pdf/release/2009/031302.pdf

同証券は、03年~05年頃に名証セントレックス市場を中心にIPO主幹事を積極的に対応していましたが、完全撤退となるようです(公開引受部門や引受審査部門がなくなります)。

もう記憶に乏しいですが、当時は、KOBE証券やエイチエス証券などがIPO主幹事業務に一気に参入し、新興市場IPOを積極展開していました(疑問視されるようなIPOもいくつもありました)。
名証セントレックスや福証Qボード、札証アンビシャスという地方市場のIPOは事実上凍結といえるような状況にもありますので、KOBE証券の完全撤退も時代の流れなのでしょうか。

参考までに、KOBE証券の主幹事銘柄を以下に挙げておきます(手集計ですので間違っているかもしれません)

07年:日本商業開発(セントレックス)
06年:ギガプライズ (セントレックス)
05年:エスグラントコーポレーション・ガイアックス・NowLoading・一六堂 (セントレックス)
04年:ケアサービス(ヘラクレスG)、 店舗流通ネット・やすらぎ(名証セントレックス)、アルデプロ(マザーズ)
03年:夢真ホールディングス(ヘラクレスS)、エリアクエスト(マザーズ)
(なかなか濃い(?)銘柄が揃っています・・・・)

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金融庁がウィングパートナーズを処分


金融庁が、3/13にウィングパートナーズに対して1年間の業務の一部停止(新規契約の停止)命令と業務改善命令を出したとのこと。

毎日jp 金融庁:監査法人ウィングパートナーズを処分 運営不十分
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090314k0000m020063000c.html

『監査法人の運営体制が著しく不十分だった』ということです。
上場企業のクライアントも相当数あり、処分の内容によっては「また新たな監査難民が発生するのでは」との憶測も夕刊紙や経済雑誌等には出ていましたが、「新規契約の停止」ということであれば既存のクライアントの仕事は出来るのでしょうから、大混乱は避けられたということでしょうか(当局もかなり慎重な検討をしたのだと思います)。

ただし、『甘い(不適切な)監査をした監査法人には容赦なく処分する』という金融庁からの強いメッセージではあると思いますので、大手監査法人の監査を厳しくなってきたことをビジネスチャンスとして、比較的甘い監査でクライアント獲得をしてきたような中小監査法人は、このような事例を受けて監査業務への姿勢が変わってくるのかもしれません。




以下は参考過去記事です。

09/02/19 監査法人「ウィングパートナーズ」に処分勧告

09/02/02 ウィングパートナーズがダイヤモンドに反論!

09/01/27 新興市場の断末魔(週間ダイヤモンド)

08/01/22 新興監査法人?

テーマ : 会計・税務 / 税理士 - ジャンル : ビジネス

Tag : ウィングパートナーズ処分監査法人

成学社 上場体験談

2008年8月22日にジャスダック上場した成学社(太田社長)の上場体験談がジャスダックのHPに掲載されています。
(メールマガジン「JASDAQ IPO WAVE」としても配信されています)

JASDAQ上場を達成した会社の体験談 株式会社成学社 代表取締役社長 太田 明弘 殿
http://www.jasdaq.co.jp/list/taiken/taiken2179.jsp

以下、一部のみ引用です。
上場後今に至るまで
 ある同業経営者は、株式上場を決意した私に、しきりに翻意を促しました。「いまどきのご時世じゃ、上場したって大して資金も入ってこないし、後であれこれ注文ばかりつけられて割に合わないよ。おまけに上場維持コストが高くついて、利益は削られるし、まさに踏んだり蹴ったりだ。止めておいてほうがいいよ」といった調子です。彼の指摘に対して、私は一言も反論しませんでした。なぜかと言えば、彼の指摘は概して正しいと言えたからです。ですが、この正しい認識も、私の経営思想というものを光として当てると、色が全く違って見えて、不正解のように感じる。つまり議論しても一つに融合し得ない、思想の壁というものを感じるわけです。



厳しい市場環境の中で上場することについて、周囲からは「上場しないほうがよい」との意見があったものの、同社は上場にこだわったとのことです。
太田社長の判断が同社にとって正しかったかどうかは、おそらく今の時点でどうこう言えるものではなく、数年後にならないとわからないものなのだと思います。


上場準備中の会社の方には、 他社分も含めて体験談を一読されることをオススメいたします。
(ジャスダック以外の市場が想定市場の会社さんでも)

ジャスダック証券取引所 「上場を達成した会社の体験談」
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_40.jsp

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Tag : IPO成学社体験談上場しない

ジャスダック-大証 「市場統合のあり方に関する委員会」

大証がジャスダック証券取引所を子会社化したことに伴い、「市場統合のあり方に関する委員会」というものが設置されたとのことです。

「市場統合のあり方に関する委員会」の設置について(大証HPプレスリリース)
http://www.ose.or.jp/profile/press/090310.pdf


基本的に月2 回程度の開催とし、6 月を目途に中間報告を取りまとめ、その骨子を公表するとのことです。

上場準備中の会社にとっては、ジャスダック市場が今後どうなるのかについては関心大だと思います(私も関心大です)。


プレスリリースそのままですが、以下が委員会メンバーの顔ぶれです。

 委員長 池尾和人 ( 慶應義塾大学 経済学部教授)
 副委員長 大崎貞和 ( ㈱野村総合研究所 主席研究員)
 委員 朝倉智也 ( モーニングスター㈱ 代表取締役C O O )
  〃  安斎 隆 ( ㈱セブン銀行 代表取締役社長)
  〃  磯崎哲也 ( 磯崎哲也事務所 公認会計士・税理士・システム監査技術者)
  〃  野村修也 ( 中央大学法科大学院教授 弁護士)
  〃  平野清久 ( 大和証券S M B C ㈱ コーポレート・ファイナンス第一部部長)
  〃  藤沢久美 ( ㈱ソフィアバンク 副代表)
  〃  三木谷浩史 ( 楽天㈱ 代表取締役会長兼社長)
  〃  村口和孝 (日本テクノロジーベンチャーパートナーズ ゼネラルパートナー)


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Tag : ジャスダック大証統合委員会