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TOKYO AIM情報(続報)


昨日記事にしたTOKYO AIMの情報を紹介しているブログ記事がありましたので、紹介しておきます。


ブログ『ベンチャーCFOへの道 IPOセミナー「東京版AIMの開設について」に出席してきました』
http://blog.livedoor.jp/venturecfo/archives/688226.html

東証の方がセミナーで話した内容が書かれており、有用な情報かと思いご紹介しました。

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TOKYO AIM

東証の、プロ向け新市場の正式名称は 「TOKYO AIM」(呼称: トウキョウ エイム)だそうです。

プレスリリース
『東京証券取引所グループとロンドン証券取引所グループ、プロ向け新市場の名称と制度要綱を発表』
http://www.tse.or.jp/news/200901/090129_c.html


「TOKYO AIM」は、本年春に開設の予定で、同市場の特徴は以下のとおりとのこと(プレスリリースより引用)です。
・情報開示は日本語・英語のいずれの選択も可能
・会計基準は日本基準に加え、国際会計基準、米国基準の採用も可能
・内部統制報告書や四半期開示を求めない柔軟な規制体系とし、上場および維持コストを軽減


「TOKYO AIM」公式サイトというのも出来ています。
「TOKYO AIM」公式サイト http://www.tokyo-aim.com/

ニュースでは、『早ければ5月に上場企業が登場する見通しだ。』なんてことが書かれています。
実際のところどうなのでしょうか。
証券会社の方などにお聞きしても、この新市場に否定的な意見もよく聞きます。

指定アドバイザー制度(Nomad)についても、賛否両論のようです。
前述のプレスリリースでは、
> 指定アドバイザーと担当する上場会社との関係は非常に密接であり、指定アドバイザーは担当する上場会社が規制を遵守し高水準の情報開示を行っていくことを支援・モニターしていくことに対して強いインセンティブを持っている。指定アドバイザーは、投資魅力の高い優れた企業を市場に誘致する能力があるということを投資家に示すことで、自らのレピュテーションを高めることができるからである。
と説明されていますが、
この市場に上場した企業についての面倒は、東証ではなくNomadが見ること(=Nomadの責任がかなり重たい)ということでしょうから、Nomadは大変です。
それ(重たい責任)に見合うだけの対応をすることとなると、Nomadは企業から相応の報酬を得る必要があるわけで、そうなると『上場および維持コストを軽減』とはならなくなってしまいます。
(英国AIMでも、上場会社が上場を維持するために取引所に支払う金額は少ないものの、Nomadへの報酬が安いものではなく、必ずしも低コストで資金調達ができる市場ではないとの話を聞いたことがあります)

この市場に上場する会社の株を欲しがる『プロ投資家』がどれだけいるのだろうかという点も気になります。相応に厳しい審査を合格した「従来からある新興市場(JASDAQ、マザーズ等)の上場会社」に対してもプロ投資化の投資意欲は減退しているところに、もっと緩い基準で上場を認める新市場はどう捉えられるのでしょうか。

新市場創設は、資本市場の活性化のための前向きな取り組みですので、うまくいけばよいとは思うものの、どうなるものかは心配です。。。。


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(読書録)この国を作り変えよう

マネックスの松本大氏と、経営共創基盤の冨山和彦氏(元産業再生機構)の共著です。
サブタイトルは、「日本を再生させる10の提言」
本書の帯には、
『問題の本質は「若者の所得を収奪する団塊世代」である。日本の指導層がひた隠す「不都合な真実」を40代経営者が抉る!』
と、刺激的な内容が書かれています。
(実は、さっきまで「抉る」が読めませんでした。「えぐる」でした・・・)



日本の将来のためには、「若い世代の台頭が必要だ」ということ、「それにも関わらず日本社会の構造は、年配の方が自分たちの既得権益を守りたいということを優先するがために、ますます日本が良くならない」というような問題意識が書かれており、その説明にはもの凄い説得力がありました。

以下、冨山氏の文章です(本書より引用)。
「何度もいうようですが、とにかく私は自分たちの世代を含めて上の世代には、もう余計なことはしてほしくありません。上の世代がなかなかどいてくれないのは、年功序列の果てに偉くなって、ようやく既得権益を手にしたのだから、なるべく長くそれをもっていたいと思っているからです。」

いくつかの政府の政策に対して、「既得権益保持者のための政策で日本の将来のためにはならない」というような提言もあり、とても興味深く読めました。
(本書を読んでも、日本の将来のために自分が何か行動をおこせるわけでもないのですが・・・・)

約160ページという分量ですが、文字が比較的大きい本ですので、比較的短時間で読めます。



平成20年度VC投資動向調査(VEC)


ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、経済産業省所管)から、「2008年 ベンチャーキャピタル等投資動向調査」が公表されています。

詳細は以下リンクをご参照ください。

「2008年ベンチャービジネスの回顧と展望(ベンチャー白書)」
http://www.vec.or.jp/2009/01/28/001-24/

要旨と本文の2種類のPDFファイルがありますが、本文は200ページ(!)の大作で気が遠くなる分量ですので、ふつうの(?)方は要旨を眺めてみる程度がよいと思います。

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新興市場の断末魔(週間ダイヤモンド)


今週号の週間ダイヤモンドは、IPOに携わられている方には必読かと思います。



タイトルと大項目は、以下のとおりで、
『新興市場の断末魔』 株式時価総額10兆円 「絶望市場」再生の処方箋
  Part1 汚れちまったニューディール
  Part2 時価総額7300万円!
  Part3 紙クズと化したベンチャー株
  Part4 許されざる「監査法人」
  Part5 新興市場型「粉飾決算」
  Part6 間違いだらけの市場ルール

と、なかなか刺激的です。

かなり分量がある特集記事ですので、詳細は本誌をお読み頂きたいところですので、印象的だったところだけをいくつかご紹介します(以下の引用箇所のうち、下線は私が付けました)。

●問題企業の監査依頼も殺到 2社に1社は「お断り」!(P56)
 問題企業の駆け込み寺的な存在と言われることもある「監査法人ウィングパートナーズ」の赤坂代表社員のインタビュー記事です。
 同法人が監査契約を結ぶ基準は、以下の2点とのこと (淡々と書かれていますが、かなりドキドキする内容です)
①会計処理に問題がないこと
  (業績が厳しくてもゴーイングコンサーン注記をつければいいだけの話だ)
②反社会的勢力との関係がないこと
  (当社との契約後に上場廃止となったケースはあるが、反社会的勢力とかかわったケースはない)
 インタビューの結びとして、「当社が上場廃止の瀬戸際にある問題企業の「駆け込み寺」のように言われるのは、まったくもって心外だ」として終わっています。
 そもそも、赤坂氏がこの特集テーマのインタビューに応じたということ自体がオドロキでした。

●監査法人に問われる「引き受けない勇気」(P58)
 会計士協会の増田会長のインタビュー記事です。
 「本来は監査を引き受けちゃいけないような上場企業の面倒を見る会計士がいるから、監査難民も出てこないと思うんです。」
 「監査法人だって厳しいんですよ。一例を挙げれば、繰延税金資産。・・・・・(中略)・・・・100年に1度の激動期に来期のことなんてわからない。当の上場企業にだってわからないのに、監査法人が保証できるわけがないんです、本来は」
 「新興市場の問題について、よく監査法人の責任を問われるのですが、非常につらい。監査人の99%はまじめにやっているんですよ」

●甘すぎる上場審査を黙認した取引所と証券会社の共犯関係 (P59)
 「地方の新興市場「アンビシャス」、「セントレックス」、「Qボード」に上場している51社のうち、「継続企業の前提」に疑義がつく企業は11社ある。」
 「その11社の上場時の主幹事証券会社は、旧ライブドア証券の1社を除くと、ディー・ブレイン証券、エイチ・エス証券、インヴァスト証券(旧KOBE証券)の3社のみ。」
 「これが偶然といえるのか。」

●新興市場再生「5つの提言」(P73)
 ①市場退出ルールを強化せよ
 ②新規上場基準を緩和せよ
 ③取引所の責任を明確化せよ
 ④新興市場は6つも要らない
 ⑤海外ベンチャー誘致を急げ


昨今の新興市場についてを、かなり詳細に、かつ強い問題意識をもって取材されており、全般的にはとてもよく出来た特集記事だと思います。
が、じーっくり読むと、
・「日本の新興市場だと上場申請から承認まで2年かかるが・・・」 ←(コメント)そんな市場はありません
とか、
・日本市場は上場関連コストが海外市場よりも高い(マザーズは370万円、英国AIMは300万円などの説明)  ←(コメント)証券取引所に支払うコストだけでの単純比較はどうなんでしょう。英国AIMに上場する場合、NOMADと呼ばれる業者に支払うコストが別途相応にかかりますので、こういう比較をするのであればトータルでの比較をしないといけないのでは?
のようなツッコミどころもところどころありますが、ご愛嬌ってところでしょうか。

いずれにしても、なかなか読みごたえのある記事でした。

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(読書録)社長の器

GCAの佐山展生氏の著書です。
(副題は「経営のプロを目指す君たちへ」)



本書は、佐山氏が教えている「企業価値向上論」講座(一橋大学大学院のMBAコース)の講演を、書籍化して紹介しているものです。

さまざまな分野で活躍している経営者を招いて講演をしてもらっているとのことで、本書の登場人物は、
・藤巻幸夫氏(フジマキジャパン副社長)
・澤田貴司氏(リヴァンプ代表取締役、代表パートナー)
・冨山和彦氏(経営共創基盤代表取締役CEO)
・河原春郎氏(ケンウッド代表取締役会長)
・阿部修平氏(スパークス・グループ代表取締役社長)
・米正剛氏(森・濱田松本法律事務所パートナー)
・安部修仁氏(吉野家ホールディングス代表取締役社長)
・永守重信氏(日本電産代表取締役社長)
・辺見芳弘氏(インテグラル取締役パートナー)
・藤原洋氏(インターネット総合研究所代表取締役 所長)
という顔ぶれです。

それぞれ面白かったですが、
記憶に残ったのは、
永守重信氏の、
『実は、私は会社を買収するときにデューデリジェンスなどしたことがありません。というのは、弁護士や会計士を100%信用するより、私が見たほうが早いと思っているからです』
でしょうか。
講演を要請した佐山氏は、「デューデリジェンスによってM&Aを成立させていく」お立場の方であるのに・・・・と、永守氏の信念(と度胸)を感じました。

あと、
藤原洋氏の
『このような私の経験を振り返り、ベンチャー企業がなぜ上場するのかということについて、3つの「あるから」に整理してみました。上場するからには社会的大義が必要です。つまり「目的があるから」上場するのであり、「適正があるから」上場できるのであり、「効果があるから」上場をするということです。』
も、うまい整理の仕方だなぁと感心しまいsた。
『  』内は本書からの引用です)

約300ページと分量はありますが、
上記のような登場人物が、「企業価値向上論」講座で話した内容というのに興味を惹かれる方はぜひお読み頂ければと思います。


(読書録)千載一遇の大チャンス

著名な経済評論家の長谷川慶太郎氏の著書です。



この本の触れ込み(紹介文)は、

『この金融危機で一番有利な国は日本だ。
「日本株」はかならず大きく買い直される。米国主導体制はゆらがず、日米枢軸の世界経済は二一世紀の人類に大変明るい時代をもたらす。』


と、今日の悲観的な景気情勢について、希望も含めて明るいことが書かれてそうでしたので読んでみました。

内容としては、本当にそうなのかなぁと思う面もあるものの、なるほどと思うことが多々ありました。
日本は、バブル崩壊の経験のお陰で、なんだかんだいっても諸外国との比較としては、ダメージがかなり少ないことがそれなりの説得性のある内容で書かれています。
また、米国主導の時代は終わったという人も増えている中、本書では米国及びUSドルの優位は今後も揺るがないという持論が展開されています。

私は、この最近、

などを読んで、「米国・USドル主導の時代は終わった」という考えに共感しつつあったのですが、本書を読むと「やはりこれからも米国・USドル中心の世の中なのかなぁ」と思わされてしまいました(主体性無く振り回されてしまっていますが・・・・・・)。

私は政治や国際経済にはかなり疎い為、どれが正しいとかもっともらしいとかはコメントできませんが、一つの見方として本書は面白く読めました。


『金融収縮・景気低迷で日本の将来に不安を感じているものの前向きに考えたい』というような方には、本書を読んでみることをおすすめしたいと思います。

ベンチャーがニッポンを救う(ガイアの夜明け)

録画していたTV番組「ガイアの夜明け」を観ました。
「ガイアの夜明け」は、様々なテーマで真剣に頑張っている人・会社を取材したTV番組です。
私は、「頑張っている人」を応援(支援)することを仕事としていることもあり、この番組から学び・気づきが結構あるので欠かさず毎週観ています(番組副題は、『闘い続ける人たちの物語』です)。

特に、今週の放送分は興味深いテーマでした。

「ガイアの夜明け」 1月20日放送 ベンチャーがニッポンを救う ~それでも負けない技術力~
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview090120.html

ベンチャー企業にとって資金調達がとても難しい状況にあるという世の現実と、その状況の中で、有望な技術と立派な志を持ち頑張っているベンチャー企業についての特集でした。

以下が主な内容です(番組HPより引用)。
・経営難に陥るベンチャー…技術はあるが資金がない
・大学発ベンチャー、ロボット技術を介護福祉市場へ
・地元に眠る金の卵を探せ! ベンチャーキャピタルが狙う「売れる技術」

このブログをお読み頂いている方であれば、楽しく観れる番組だと思います。
(見逃した方へ:BSジャパンや日経CNBC での放映はこれからのようです)

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期待のバイオ企業(日経ヴェリタス)


今週の日経ヴェリタスのIPO欄は、バイオ企業の特集です(09年1月18日号)。

最近は一時期に比べてバイオベンチャーのIPOは減っていますが、無くなったわけではありません。
バイオベンチャーの活動が全て低迷しているわけではなく、大手製薬会社と何らかの提携関係が構築できた企業も出てきています。

本記事でも、09年中に何社かのバイオベンチャーはIPOを果たすのではと結んでいます。
いちよし経済研究所の山崎氏のコメントとしては、キャンバス、エムズサイエンス、セルシードの社名が挙げられています。

また、別表として、『製薬会社と提携した主な未上場バイオベンチャー』の社名リストが示されています(9社)。

詳細は、日経ヴェリタス誌をご確認ください。



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東証統計データ「決算発表までの日数」


上場企業の決算発表が少しずつ早まっていることについて、統計データをご紹介しておきます。
東京証券取引所は、東証上場企業の決算発表状況について統計データを都度公表しています。


●本決算 決算発表日
 平成20年3月期の決算発表状況の集計結果について
   04年3月期  44.6日
   05年3月期  43.3日
   06年3月期  42.5日
   07年3月期  40.9日
   08年3月期  40.2日

●中間決算、四半期決算 決算発表日
 平成21年3月期第2四半期決算短信発表状況の集計結果について(確定版)
  08年3月期 中間決算 (9月)   39.5日
  09年3月期 第1四半期 (6月)  34.6日
  09年3月期 第2四半期 (9月)  35.9日

どんどん決算発表が早まってきていることがわかります。
08年3月期中間決算 → 09年3月期第2四半期 については、
監査法人の手続が、「中間監査」から「四半期レビュー」となったことも一因かもしれませんが、1年で3.6日も短縮されています。

なお、上場準備会社には、本決算は45日、四半期決算は30日で開示できるレベルが求められております。

なお、本決算については上記のとおり、これまでは毎期毎期少しずつ日数が短縮されてきていましたが、09年3月期については、J-SOXの適用初年度ということで、他社の様子見・混乱等によって、もしかすると、発表日数がそれなりに遅くなるのではないかと予測(?)しています。


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