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日証協がジャスダック株の大証への売却を決定

日本証券業協会は、4月8日の臨時理事会で、保有するジャスダック証券取引所株式(発行済み株式の72・6%)のうち過半数を大阪証券取引所に売却することを正式に決めたそうです。


財務アドバイザー(FA)として、日本証券業協会はゴールドマン・サックス証券を、大証は野村証券を選定しています。
日証協が大証への株売却を正式決定、ジャスダックの対応が焦点に(08年4月8日、ロイター)

毎日新聞では、今後について予想される3種類のシナリオ(①ジャスダック賛成、②ジャスダック抵抗、③統合撤回)について書いています。
ジャスダック株:日証協、売却を決定 大証傘下入りなお不透明 (08年4月9日、毎日朝刊)

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(参考書籍)株式公開のための労務管理と書式・規程集(日本法令)



前回の記事で、人事・労務まわりについての留意点を書きましたので、それに関連する参考書籍です。

社会保険労務士の方6名で執筆されている書籍です。

全343ページと分厚い本ですが、上場に向けての人事・労務まわりの課題については、ほぼ網羅して説明がなされています。

また、各種の届出様式や、人事・労務まわりの規程例がとても充実しており、CD-ROMが添付されており電子データ(Word)で入手できます。
(収録されている様式、規程については、以下の「続きを見る」に載せておきましたのでご参照ください)

人事・労務まわりについては、複雑な課題が多く、必要に応じて専門家(弁護士、社会保険労務士)を交えた検討が必要ですので、本書だけで全て万全というわけではありませんが、上場準備会社さんは一冊もっておいてもよい本だと思います。



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人事・労務まわりの各種課題について

上場審査において、昨今注目度が高まっているのが人事・労務まわりです。

●労基署からの調査の状況
 最近数年内に、労働基準監督署からの調査が入っている場合、その状況について確認がなされます。
 もちろん「調査が入った」という事実だけでは、何の問題もありません。
 問題になるのは、「是正勧告書」が出ている場合などです。
 指摘された問題に対して、適切な対応が図られているかどうかについて、慎重な確認が行われています。
 留意事項としては、労基署の調査は、ひとつの事業所に対して行われます。指摘(是正勧告)が行われたのは特定の事業所だけだとしても、(調査が入っていない)他の事業所についても、同じ問題があるのであれば改善をしておく必要があるという点があります。

●時間外労働の管理方法、未払残業代の有無
 いわゆるサービス残業や未払残業代が発生していないかどうかについて確認がなされます。
 ありがちなのは、「わが社は、年俸制だから残業代は発生しない」という会社さんで、実際には就業規則や各種の労基法令に照らすと、残業代を支払う必要があるというケースです。
 労働債権・債務の時効は2年とされていますので、未払残業代がある場合、遡って2年分を支払う必要があります。
 また、最近では、いわゆる「名ばかり管理職」問題についても注目されています。皆様の会社の(残業代がつかない)管理職の位置づけが、労基法上の管理監督者の定義にあてはまっているといえるかどうかは、要確認でしょう。

●退職率、退職者
 最近数年内の役職員の退職率、退職者の状況について確認が行われます。
 退職率は何パーセント以内でないといけないという基準はありません。
 業種によって退職率の高低もあると思います。
 が、同じような業界の中でもその会社さんが際立って退職率が高いということがあれば、それはその会社さんに何か「問題」があるのではないかと考えられるでしょう。
 全体の退職率に問題がなかったとしても、重要な役職の者(管理職クラス)が多く退職している場合もその理由は重点的に確認されます。

●社会保険への加入
 パートタイマーなどについて、本来であれば、社会保険に加入させなければいけない(加入要件を満たしている)のに、加入させていない中小企業は多くあるようです。
 上場に向けては、法令遵守が求められますので、加入要件を満たす人は全員が加入している必要があります。場合によっては、会社が加入させないわけではなく、労働者側が、扶養の関係等で加入をいやがるというケースもあるようですが、それでも全員加入が必須です。
 パートタイマーの多い業種の場合、上場に向けて全員加入に取り組んだ結果、利益が半減してしまう会社さんなどもあるようです。

●偽装請負
 「請負」という契約にしておきながら、「人材派遣」のように派遣先の企業が、その人材に対し指示・命令をすることが、いわゆる「偽装請負」問題です。こちらも最近かなり社会問題化していますので、上場審査においても注目されるポイントです。
 
以上が、上場審査における主な審査ポイントです。
人事・労務まわりに問題がある場合、指摘を受けてもすぐに解決が図れないものも多くあります(組織の見直しが必要になったり、給与体系の見直しが必要になったり、遡って時間外手当を支給するために過去の勤務時間の調査が必要になったりしますので)。
そのため、必要に応じて社会保険労務士さんや弁護士さんに関与してもらいながら、早めに人事・労務まわりの課題についても対応をしておくことが望まれます。



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【目次】 IPO参考ウェブサイト

♪11年10月10日更新♪

上場準備会社さんの参考になりそうなウェブサイトを紹介していきます。

・JASDAQ上場体験談(ジャスダック証券取引所) 【08年3月15日紹介記事】

・証券取引所が発行しているメールマガジン 【08年3月28日紹介記事】

・適時開示データベースサイト『適時開示.com』 【08年4月6日紹介記事】

・経済産業省のHP『ベンチャー企業の経営危機データベース ~83社に学ぶつまずきの教訓~』 【08年6月20日紹介記事】 

・平成19年警察白書「反社会的勢力の証券取引への進出に関する記事」 【08年06月30日紹介記事】

・監査役監査の知識を自己診断! 【09年09月3日紹介記事】

・動画配信「IPOニューフェイス」(参考ウェブサイト)【11年09月04日紹介記事】

・J-Net21(企業事例 IPO編) 【11年10月10日紹介記事】

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参考ウェブサイト 「適時開示.com」

創徳企業情報という会社さんが、08年4月3日に適時開示データベースサイト『適時開示.com』を開設しました。

『適時開示.com』 (http://www.tekijikaiji.com/

上場企業の適時開示情報が、開示日、証券コード、市場、業種、会社名、表題、テーマ(注:以下で説明)の各分類によって検索できるというとても便利なサイトで、使用は全て無料ということです。

このサイトは、とても便利だと思います。

「M&A及び株主の移動等」、「人事 資本政策」、「決算」、「その他重要事項」、「新製品・サービス」、「公認会計士の異動」、「ストック・オプション」 というテーマ別の分類がされているのもよさそうです。

上場準備会社さんにも役立つと思います。
上場準備中に「決算短信」をトライアルで作成することがありますが、参考にするための他社の「決算短信」が簡単に探せますし、
上場がまだ先の会社さんの中には、「適時開示が大変」と言われることがあるが、どういうことなんだろう?と思っている会社さんもあると思います。そのような場合には、上場しているライバル企業の適時開示情報を見てみるのもいいと思います。


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(読書録)一生ものの仕事の習慣



船井総合研究所の社長の小山政彦氏の著書です。
同氏は、36歳という年齢で同社に入り、コンサルタントとして大活躍され社長にまでなられた凄い方です(現在もトップコンサルタントとして活動中)。
私も、「コンサルタント」の端くれですので、得られるものがあればと思い読んでみました。

内容は、同氏がこれまで実行してきた「仕事の習慣」についての、見開き2ページのショートコラム集です。
  1 仕事のやり方編(全17編)
  2 人とのつき合い方編(全19編)
  3 自分の磨き方編(全17編)

感想ですが、とても良かったです。
全てのことを実践するのはなかなか出来ないですが、なるべく多くのことを心がけるようにしたいと思いました。
なるほど、と思ったことをメモしておきます。
・「ホウレンソウ」+「ダ・ネ」 → 報告・連絡・相談と、ダ(打ち合わせ)、ネ(根回し)
・後始末ではなく、前始末が大切
・客シコウ(客指向、客志向、客思考、客嗜好)
・すぐ対応する(すぐに片付け、忘れることで、次の案件に集中できる)
・他人との約束を守るとともに自分との約束も守る(決めたことをやりきる)
・アイディアはすぐにメモする
・「勉強好き、素直、プラス思考」(船井幸雄氏の語る成功の3条件)
・成功の秘訣は、成功するまでやり続けること
・成長し続ける人とは、自分が不完全な存在であること、知らないことの多さを認められる人

全126ページと薄めで、文字も大きめですので、比較的短時間で読める本です。
当たり前のようなことも多く書かれていますが、いくつかだけでも得られることがあれば十分だと思います。
社会人の方全般に是非オススメしたい書籍です。


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(銘柄研究) アールテックウエノ ファイナンス規模縮小

4月9日にヘラクレス上場予定のアールテックウエノが、ファイナンス規模を当初予定より縮小しています。

●3/10 有価証券届出書 【想定発行価格 : 560,000円】
 公募 : 2,100株 = 1,176百万円 (※ スプレッド控除前)
 売出し : 1,520株 = 851.2百万円 (他 OA 500株 = 280百万円)

●3/24 第一回訂正届出書 【仮条件 : 460,000円~500,000円】
 公募 : 1,340株 = 616.4~670百万円 (※ スプレッド控除前)
 売出し : 760株 = 349.6~380百万円 (他 OA 315株 = 144.9~157.5百万円)

●4/1 第二回訂正届出書 【発行価格 : 500,000円(上限)】
 公募 : 1,340株 = 670百万円 (※ スプレッド控除前)
 売出し : 760株 = 380百万円 (他 OA 315株 = 157.5百万円)

ファイナンス途中で株数が変更されるのは珍しいことです。
株価が予定より引き下げられ、しかも株数を減少させたため、資金調達額が4割以上減っています。

「手取り金の使途」として、第20期の研究開発費1,130百万円を当初は上場時の公募資金を充てる予定だったものが、調達額が減ったため「不足額につきましては、手元資金により充当する予定であります」と開示されています。

株式市況の動向と、こちらの会社さんの投資家からの評価(人気)の両面からの検討結果なのだと思いますが、とても厳しい状況にあることは見てとれます。

ただでさえ、上場審査・監査法人監査が従前より厳しくなってきており新規上場を目指す会社さんにとっては逆風の状況ですので、株式市況だけでも明るい方向に向かって欲しいと思う今日この頃です。



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名ばかり管理職(NHKスペシャル)

NHKスペシャル「名ばかり管理職」を見ました(3月31日放送)。
番組HP(http://www.nhk.or.jp/special/onair/080331.html

しばらく前に、原告勝訴(企業側敗訴、控訴中)の判決が出たマクドナルドの店長さんや、元コンビニ店長さん、元ファミレス店長さんなどが登場し、管理職として長時間労働を強いられつつ時間外手当が支給されないという、極めて過酷な勤務実態を語っていました(元ファミレス店長さんは闘病中です)。
早朝から翌朝まで勤務して、数分(!)だけ休憩してすぐ翌日の勤務開始というのを繰り返していたという勤怠記録をみると、ぞっとするものがありました。

上場準備にあたっても、労務まわり(特に管理職の定義や未払い残業代)は重点審査事項のひとつです。
労務まわりの問題については、改善が必要となった場合、すぐには対応できるものではありません(未払い残業代の存在がある場合、過去2年分の対応が必要になる等)。
そのため、これから上場を目指す会社さんにおかれましては、労務まわりについての法令遵守対応について、早めに着手されることをオススメします。

なお、番組の再放送が、4月2日(水)深夜【木曜午前】 0時55分~1時45分 にあるそうです。
関心あるかたはどうぞ。


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