中小企業のSWOT分析
IPOで必ずといっていいほど求められる「SWOT分析」に関する書籍です。
本書は、九州地区で活動されているコンサルタントの方が、日頃、会計事務所に対してSWOT分析の手法を指導していることを書籍にしたという内容です(IPOに関する書籍ではありません)。
会計事務所が、顧問企業向けにSWOT分析を行うことが顧客企業満足度の向上にとても役立つということでそれを推奨しているそうです。
SWOT分析に特化して、かなり平易に説明されていますので、IPO準備に取り掛かるにあたって初めてSWOT分析に出くわしたという方にはかなり役立つのではないかと思います。
自社の分析をする場合の検討会の段取りや、具体例なども充実しています。
1,890円の価値はある本だと思います。
本書は、九州地区で活動されているコンサルタントの方が、日頃、会計事務所に対してSWOT分析の手法を指導していることを書籍にしたという内容です(IPOに関する書籍ではありません)。
会計事務所が、顧問企業向けにSWOT分析を行うことが顧客企業満足度の向上にとても役立つということでそれを推奨しているそうです。
SWOT分析に特化して、かなり平易に説明されていますので、IPO準備に取り掛かるにあたって初めてSWOT分析に出くわしたという方にはかなり役立つのではないかと思います。
自社の分析をする場合の検討会の段取りや、具体例なども充実しています。
1,890円の価値はある本だと思います。
ゴー・パブリック 起業公開物語
2003年に発行されたストーリー仕立てのIPO書籍です。
(著者は、朝日監査法人(現あずさ監査法人)の会計士です)
本書の副題は、
この物語は、会社を辞めて起業し、
いずれIPO(株式公開)したいと思ってる
あなたのための疑似体験ストーリーである。
とのことで、これに惹かれて読んでみました。
内容は、サラリーマンの主人公が起業を決意し、VC等から資金調達、監査法人との契約、主幹事証券会社の審査を経てIPOを実現するまでの物語です。
しばらく前の書籍ですので、上場に関する制度等が微妙に今とは違うところがあるものの、なんとなくの流れを知るためには今でもそれなりに有用な書籍だとは思いました。
ただし、作家さんが書いた書籍ではないこともあり、物語の流れがイマイチなところ(話に夢中になるということがあまりない)はちょっと残念です。
表表紙の裏に、こんな方々のための「物語」です として
・起業したいと考えてる皆さん
・会社を辞めて独立したいと考えている皆さん
・株式公開の業務に携わろうとしている証券会社、ベンチャーキャピタル、証券代行、監査法人、印刷会社の皆さん
・経営の専門職として従事する公認会計士、税理士、弁護士、司法書士、経営コンサルタントの皆さん
と書かれていますが、
確かに、IPOの流れの全体がストーリーっぽく書かれている書籍はめったにありませんんで、これらの方にはそれなりに有用かと思います。
(制度等が今とは若干変わっていることを御承知の上でお読みください)
本記事投稿時点(3月22日)では、Amazonで中古本が1円で売られていますので、興味ある方はどうぞ。
(著者は、朝日監査法人(現あずさ監査法人)の会計士です)
本書の副題は、
この物語は、会社を辞めて起業し、
いずれIPO(株式公開)したいと思ってる
あなたのための疑似体験ストーリーである。
とのことで、これに惹かれて読んでみました。
内容は、サラリーマンの主人公が起業を決意し、VC等から資金調達、監査法人との契約、主幹事証券会社の審査を経てIPOを実現するまでの物語です。
しばらく前の書籍ですので、上場に関する制度等が微妙に今とは違うところがあるものの、なんとなくの流れを知るためには今でもそれなりに有用な書籍だとは思いました。
ただし、作家さんが書いた書籍ではないこともあり、物語の流れがイマイチなところ(話に夢中になるということがあまりない)はちょっと残念です。
表表紙の裏に、こんな方々のための「物語」です として
・起業したいと考えてる皆さん
・会社を辞めて独立したいと考えている皆さん
・株式公開の業務に携わろうとしている証券会社、ベンチャーキャピタル、証券代行、監査法人、印刷会社の皆さん
・経営の専門職として従事する公認会計士、税理士、弁護士、司法書士、経営コンサルタントの皆さん
と書かれていますが、
確かに、IPOの流れの全体がストーリーっぽく書かれている書籍はめったにありませんんで、これらの方にはそれなりに有用かと思います。
(制度等が今とは若干変わっていることを御承知の上でお読みください)
本記事投稿時点(3月22日)では、Amazonで中古本が1円で売られていますので、興味ある方はどうぞ。
Q&A 新興企業の内部統制実務
あずさ監査法人のJ-SOXに関する書籍です。
サブタイトル(帯の記載)は、
株式上場準備を目指す企業に役立つ
小規模で事業構造がシンプルな企業の制度導入をサポート!
です。
J-SOXは、上場会社全てに、企業規模関わらず一律に適用されます。
が、IPO準備会社の多くは従業員数も少なく、組織もシンプルであるということを考慮すると、内部統制の構築やその評価制度もシンプルで負担の少ないものにできるはずというのが本書のコンセプトとなっています。
「本書は、上場準備会社が、内部統制報告制度を導入するにあたって、企業規模や事業構造に合った内部統制制度およびその評価制度を構築するために、参考度なる制度導入の趣旨や考え方等をQ&A形式で平易に解説しております。」
(以上、「はじめに」より)
このコンセプトは、当方も大いに賛成(同意)です。
経常利益が何千億円規模の東証一部の超大企業と、数億円規模の新興企業IPOを並列に論じるのはさすがに無理があるとかねがね思っていましたが、新興企業上場企業に狙いを定めたJ-SOX実務書はこれまでありませんでした(もし他にあったらお教えください)。
Q&A形式になっていますので、目次から必要な箇所だけを見に行くこともできますし、各項目の中に、「上場審査上の取り扱い」という項が設けられていたりと(書かれている内容は一般的なものですが)、IPO準備会社のJ-SOX対応において直面する悩みに対して、一定の答えを提供してくれている書籍です。
監査法人による出版物ですので、本筋からずれることもなく(ブームに乗って出てきたJ-SOX本の中には、変な本もありますが)、しっかりとした内容になっています。
4,200円はお高めですが、IPO準備会社さんは買って損はないものと思いました。
【参考記事】
IPO参考書籍【目次】
サブタイトル(帯の記載)は、
株式上場準備を目指す企業に役立つ
小規模で事業構造がシンプルな企業の制度導入をサポート!
です。
J-SOXは、上場会社全てに、企業規模関わらず一律に適用されます。
が、IPO準備会社の多くは従業員数も少なく、組織もシンプルであるということを考慮すると、内部統制の構築やその評価制度もシンプルで負担の少ないものにできるはずというのが本書のコンセプトとなっています。
「本書は、上場準備会社が、内部統制報告制度を導入するにあたって、企業規模や事業構造に合った内部統制制度およびその評価制度を構築するために、参考度なる制度導入の趣旨や考え方等をQ&A形式で平易に解説しております。」
(以上、「はじめに」より)
このコンセプトは、当方も大いに賛成(同意)です。
経常利益が何千億円規模の東証一部の超大企業と、数億円規模の新興企業IPOを並列に論じるのはさすがに無理があるとかねがね思っていましたが、新興企業上場企業に狙いを定めたJ-SOX実務書はこれまでありませんでした(もし他にあったらお教えください)。
Q&A形式になっていますので、目次から必要な箇所だけを見に行くこともできますし、各項目の中に、「上場審査上の取り扱い」という項が設けられていたりと(書かれている内容は一般的なものですが)、IPO準備会社のJ-SOX対応において直面する悩みに対して、一定の答えを提供してくれている書籍です。
監査法人による出版物ですので、本筋からずれることもなく(ブームに乗って出てきたJ-SOX本の中には、変な本もありますが)、しっかりとした内容になっています。
4,200円はお高めですが、IPO準備会社さんは買って損はないものと思いました。
【参考記事】
IPO参考書籍【目次】
公器の上場戦略(参考書籍)
公器の上場戦略
あらた監査法人代表社員の佐々木氏の編著です。
内部統制報告制度(J-SOX)が導入されたり、コーポレートガバナンスに関する市場の要求が高まってきたりしている中でのIPOについて、本格的に研究・検討している書籍です。
編著者は、J-SOXの本格的な実務書「内部統制報告バイブル」の著者でもあるので、本書と「バイブル」が姉妹書という位置づけになっています(本書中でも「バイブル」が度々出てきます)。
本書でもJ-SOX関連の各種のフォーマット(テンプレート)が多数紹介されており、IPO準備会社で参考にできるものもあると思います。
とても充実した内容ですのでIPO実務を相応にマスターしている方には「良書」だと思いますが、全461ページというボリュームでもあり、内容面も金商法(J-SOX)や上場制度に関する実務レベルまでの細かい内容も出てきますので、読者層が限定されるかもしれません(企業経営者や、入門レベルの実務担当者には正直キツいと思います)。
サブタイトルとして「経営者のホンネと市場のタテマエをつなぐプレイヤーのビジョン」が掲げられていますが、何のことだか難しくてよくわかりませんでした。。。。
株式上場準備の実務 (IPO参考書籍)
久しぶりのIPO参考書籍のご紹介です。
株式上場準備の実務(太陽ASG有限責任監査法人)
著者は、太陽ASG所属の会計士 10名ですが、全員が中央青山(みすず)からの移籍組です。
(私の、元同僚(上司・後輩)でもあります)
この本の特徴ですが、「IPO準備」の全体を概観する書籍ではあるもの、昨今重要度が増しているとされている「J-SOX対策」についてをかなり絡めて書かれているところでしょうか。
IPO準備において、「J-SOX」は避けて通ることができない必須事項です。
J-SOXは、上場企業においては運用2年目に入っており実務が少しずつ落ち着いてきた感があるように思えています。
数年前から、「J-SOXバブル」とも称される機運があり、実務書・ハウツー本も沢山発刊されました。
ですが、IPO準備と「J-SOX」を絡めた書籍というのは皆無だったと思います(世間の関心事も、既に上場企業に向けられていましたので)。
本書は、内容としてはIPO準備の全体像をまとめた書籍ではあるものの、かなりの部分でIPO準備において求められている管理体制整備と「J-SOX」との関連性を意識させる流れになっています。
IPO準備に関する実務書として、監査法人や信託銀行などから「辞書」のような分厚い書籍がいくつも発売されています。
本書も、その手のカテゴリに属するものではありますが、「J-SOX」との関わりを強く意識しながらIPO準備全体を学びたい方や、IPO準備会社において「J-SOX」に携わる方には参考になる書籍だと思います。
特に、「全社的な内部統制(内部統制実施基準に定める42項目)に関するJ-SOX対応」と、IPO準備を関連付けてまとめている点は、いい視点だと思います(絡めるのにかなりの苦労が感じられますが・・・・)。
ただし、監査法人さんは立場上、IPO準備でやるべきことの中心に「J-SOX」を捉えがちな面があり、本書もその傾向が強く表れているように思えます。
(「J-SOXを核にして進める上場準備」という説明がなされておりますが、私は、もし経営者視点でIPO準備の全体像を考えた場合には、「J-SOX」は重要な課題のひとつではあるものの、その中心に位置づけられるものではないと考えています)
4,410円と安価な本ではありませんが、IPO準備とJ-SOXを一冊で学びたい方などにはおすすめかと思います。
株式上場準備の実務(太陽ASG有限責任監査法人)
著者は、太陽ASG所属の会計士 10名ですが、全員が中央青山(みすず)からの移籍組です。
(私の、元同僚(上司・後輩)でもあります)
この本の特徴ですが、「IPO準備」の全体を概観する書籍ではあるもの、昨今重要度が増しているとされている「J-SOX対策」についてをかなり絡めて書かれているところでしょうか。
IPO準備において、「J-SOX」は避けて通ることができない必須事項です。
J-SOXは、上場企業においては運用2年目に入っており実務が少しずつ落ち着いてきた感があるように思えています。
数年前から、「J-SOXバブル」とも称される機運があり、実務書・ハウツー本も沢山発刊されました。
ですが、IPO準備と「J-SOX」を絡めた書籍というのは皆無だったと思います(世間の関心事も、既に上場企業に向けられていましたので)。
本書は、内容としてはIPO準備の全体像をまとめた書籍ではあるものの、かなりの部分でIPO準備において求められている管理体制整備と「J-SOX」との関連性を意識させる流れになっています。
IPO準備に関する実務書として、監査法人や信託銀行などから「辞書」のような分厚い書籍がいくつも発売されています。
本書も、その手のカテゴリに属するものではありますが、「J-SOX」との関わりを強く意識しながらIPO準備全体を学びたい方や、IPO準備会社において「J-SOX」に携わる方には参考になる書籍だと思います。
特に、「全社的な内部統制(内部統制実施基準に定める42項目)に関するJ-SOX対応」と、IPO準備を関連付けてまとめている点は、いい視点だと思います(絡めるのにかなりの苦労が感じられますが・・・・)。
ただし、監査法人さんは立場上、IPO準備でやるべきことの中心に「J-SOX」を捉えがちな面があり、本書もその傾向が強く表れているように思えます。
(「J-SOXを核にして進める上場準備」という説明がなされておりますが、私は、もし経営者視点でIPO準備の全体像を考えた場合には、「J-SOX」は重要な課題のひとつではあるものの、その中心に位置づけられるものではないと考えています)
4,410円と安価な本ではありませんが、IPO準備とJ-SOXを一冊で学びたい方などにはおすすめかと思います。
TOKYO AIM上場ガイドブック (トーマツ)
6月にスタート(?)した東証のプロ向け新市場『TOKYO AIM』に関する参考書籍です。
(おそらく同市場に関する初めての出版物だと思います)
私は、いまだに「TOKYO AIM」について、企業やその他関係者にとってどこにどれだけのメリットがあるのかが理解が出来ていない状況なのですが、企業等の方との会話でたまに同市場が話題に上ることもあり、「TOKYO AIM」についても関心をもつようにしています。
本書の内容は、以下の4章構成です。
第1章 TOKYO AIMの概要
第2章 TOKYO AIMの上場規則
第3章 指定アドバイザー(J-Nomad)に関する事項
第4章 ロンドンAIMの概要
全224ページとそれなりの分量がありますが、ほぼ全面的に制度説明が淡々と書かれています。
TOKYO AIMについてを学ぶにあたって参考になるのは、
第1章の『各プレイヤーにとってのメリットとデメリット』という項でしょうか。
(プレイヤー:上場希望会社、証券取引所、監査法人、証券会社、投資家)
ただし、このメリットとデメリットの説明についても、「・・・・と予想されます」が多用されており、自信のなさそうな弱いトーンの記述に留まっています。
(本当にそれはメリット(デメリット)といえるのだろうか?と思うことも書かれています)
このあたりは、まだ1社も上場企業が出ていない手探りの状況ですので、仕方がないのだろうと思います(他に先駆けてこのような出版物を提供する意義もあるのだろうと思います)。
あと、『国際会計基準(IFRS)導入によるベンチャー企業への影響』というコラムが4部構成で書かれており、IFRSは最近のトピックスなので真っ先に読みましたが、あまりに一般的な内容でちょっとがっかりでした。
「TOKYO AIM」のことを調査・研究する資料としてはまとまっている(他に資料が殆どない)ので、必要な方は是非どうぞ。
(おそらく同市場に関する初めての出版物だと思います)
私は、いまだに「TOKYO AIM」について、企業やその他関係者にとってどこにどれだけのメリットがあるのかが理解が出来ていない状況なのですが、企業等の方との会話でたまに同市場が話題に上ることもあり、「TOKYO AIM」についても関心をもつようにしています。
本書の内容は、以下の4章構成です。
第1章 TOKYO AIMの概要
第2章 TOKYO AIMの上場規則
第3章 指定アドバイザー(J-Nomad)に関する事項
第4章 ロンドンAIMの概要
全224ページとそれなりの分量がありますが、ほぼ全面的に制度説明が淡々と書かれています。
TOKYO AIMについてを学ぶにあたって参考になるのは、
第1章の『各プレイヤーにとってのメリットとデメリット』という項でしょうか。
(プレイヤー:上場希望会社、証券取引所、監査法人、証券会社、投資家)
ただし、このメリットとデメリットの説明についても、「・・・・と予想されます」が多用されており、自信のなさそうな弱いトーンの記述に留まっています。
(本当にそれはメリット(デメリット)といえるのだろうか?と思うことも書かれています)
このあたりは、まだ1社も上場企業が出ていない手探りの状況ですので、仕方がないのだろうと思います(他に先駆けてこのような出版物を提供する意義もあるのだろうと思います)。
あと、『国際会計基準(IFRS)導入によるベンチャー企業への影響』というコラムが4部構成で書かれており、IFRSは最近のトピックスなので真っ先に読みましたが、あまりに一般的な内容でちょっとがっかりでした。
「TOKYO AIM」のことを調査・研究する資料としてはまとまっている(他に資料が殆どない)ので、必要な方は是非どうぞ。
キャッシュ・フロー計算書のつくり方
上場準備会社の経理部門において、戸惑うことが多い事項の一つとして「キャッシュ・フロー計算書(C/F)」の作成があります。
未上場会社の多くはB/S、P/Lのみを作成し、C/Fは作成していない会社も多いと思います。
(「資金繰り表」を作成している会社さんは多いですが、「資金繰り表」とC/Fは別物です。「資金繰り表」は任意に作成するもので様式も自由ですが、C/Fは監査法人監査の対象物でもありルールに則った作成をしなければいけません)
ということで、これからC/Fを作成するという会社さん向けに入門書を紹介しておこうと思います。
入門者を対象にしています、かなり平易に書かれていますが、内容はそれなりに本格的です。
特殊なケースでなければ、本書の説明のままにEXCELシートを作成していけば、入門者の方でもそれなりのC/Fが作成できるようになります。
大手監査法人(新日本)の会計士の方が書かれているというのも安心感があります。
「そろそろC/Fを作成しなければいけないが、作り方が・・・・・・」という上場準備会社の経理部門の方にはオススメの一冊です。
未上場会社の多くはB/S、P/Lのみを作成し、C/Fは作成していない会社も多いと思います。
(「資金繰り表」を作成している会社さんは多いですが、「資金繰り表」とC/Fは別物です。「資金繰り表」は任意に作成するもので様式も自由ですが、C/Fは監査法人監査の対象物でもありルールに則った作成をしなければいけません)
ということで、これからC/Fを作成するという会社さん向けに入門書を紹介しておこうと思います。
入門者を対象にしています、かなり平易に書かれていますが、内容はそれなりに本格的です。
特殊なケースでなければ、本書の説明のままにEXCELシートを作成していけば、入門者の方でもそれなりのC/Fが作成できるようになります。
大手監査法人(新日本)の会計士の方が書かれているというのも安心感があります。
「そろそろC/Fを作成しなければいけないが、作り方が・・・・・・」という上場準備会社の経理部門の方にはオススメの一冊です。
テーマ : 会計・税務 / 税理士 - ジャンル : ビジネス
株式公開白書 (21年版)
株式公開白書の21年版が発刊されています(プロネクサス発行)。
本書は、08年に上場した会社の統計データ集です。
主幹事証券会社、監査法人、証券代行別の件数データ、各社毎の「事業等のリスク」の内容、上場前の資金調達状況など資本政策関連の統計データなどなどが収録されています。
入手は、政府刊行物のウェブサイトや、大きな書店でどうぞ。
上場準備会社さんで、本書を購入されることはあまりないかもしれません(購入すべきというものでもありません)。
が、このような白書の存在自体があまり認知されておらず、また、場合によってはとても参考になる情報も収録されている白書ですので、ご紹介しておきました(1年前同様に)。
昨年は上場会社数が激減しましたので本書のページ数も、
20年版:470ページ → 21年版:302ページ に激ヤセしてしまいました・・・・・(値段は据置きですが)。
本書は、08年に上場した会社の統計データ集です。
主幹事証券会社、監査法人、証券代行別の件数データ、各社毎の「事業等のリスク」の内容、上場前の資金調達状況など資本政策関連の統計データなどなどが収録されています。
入手は、政府刊行物のウェブサイトや、大きな書店でどうぞ。
上場準備会社さんで、本書を購入されることはあまりないかもしれません(購入すべきというものでもありません)。
が、このような白書の存在自体があまり認知されておらず、また、場合によってはとても参考になる情報も収録されている白書ですので、ご紹介しておきました(1年前同様に)。
昨年は上場会社数が激減しましたので本書のページ数も、
20年版:470ページ → 21年版:302ページ に激ヤセしてしまいました・・・・・(値段は据置きですが)。
(参考書籍)こうすればできる!決算早期化の仕組みと実務
上場準備会社の経理部門にとって、『決算早期化』は大きな課題のひとつだと思います。
その対応に向けて、とても参考になる書籍が出ていましたので紹介します。
本書は、上場企業の決算早期化コンサルティングを数多く手がけた会計士の方が書かれた決算早期化のための実務書です。
多くの上場企業の決算を見比べると、「決算の遅い会社には共通点がある」として典型的な状況を説明しています。
以下に本書の目次の一部を抜粋します。
第2章 決算早期化を達成する経理の仕組み
3 アウトプット業務の現状
(1) アウトプット資料が充実していない
①アウトプット資料が少ない
②アウトプット資料がだぶりがある
(2) アウトプット資料が検証不能である
①会計監査の利用可能性が低い
②分析が不十分
③開示物とリンクしていない
(3) アウトプット資料の検索に時間がかかる
第3章 決算早期化を達成できない原因と対策
1 単体決算が遅い会社
(1) 管理業務上の問題がある会社
(2) 事前準備不足の場合
2 連結決算が遅い会社
(1) 子会社側に問題がある場合
(2) 親会社側に問題がある場合
3 開示業務が遅い会社
(1) 基礎資料なしでの開示資料作成
(2) 開示資料作成段階での基礎資料作成
(3) 開示資料・基礎資料のチェック不能
4 監査に時間がかかりすぎている会社
(1) 監査の日程が長すぎる
(2) 監査のタイミングが悪い
(3) 決算早期化のための会計監査対策
このあたりの視点については、私も100%同感いたします。
決算早期化が課題となっている上場準備会社は、ここで書かれていることのいくつか(沢山?)の状況にあてはまっていると思います(決算が遅いのに、これのいずれにもあてはまらないという会社はまずないだろうと私も思います)。
本書では、経理のアウトプット資料を「リファレンスナンバー」と「リードシート」の活用などによって整備することが決算早期化への近道だとして、手順を説明しています。
この切り口は、著者の方が「会計監査に従事していた会計士」だからこそだと良くわかります。
(監査をする側の立場を経験したことがある方であれば本書を読まれるとこのコメントに同感頂けると思います)
決算早期化のために大切なことは資料のファイリングの仕方、資料の名称の見直し(電子データのファイル名含む)、決算の事前準備、監査法人とのコミュニケーションなど、経理業務における「基礎的な作法」をしっかりとすることだという内容です(本書で書かれている手法は、高度な経理・会計知識を必要とするようなものはひとつもありません)。
ひとつひとつの内容については、会計士の視点からすると「当たり前」ともいえることが多いのですが、実際にここで書かれたような対応・工夫ができていない会社がとても多いのも事実でしょうし、こういう切り口で書かれた書籍はこれまでにありませんでしたので、本書はとてもイイと思います。
決算早期化に取り組まれている会社であれば、ぜひとも本書を一読することをオススメいたします。
なお、本書で書かれている対応・工夫をしっかり実践できれば、監査人からの評価アップになることは確実だと思います。
あと、著者の方が書かれているこちらのブログもとても参考になりますので紹介しておきます(会計まわりのトピックス情報をまとめて下さっており私も愛読者です)。
■CFOのための最新情報■
http://blog.livedoor.jp/takeda_cfo/
かくいう私も、もはや数年前のことですが、上場企業の『連結決算早期化コンサルティング』を主たる業務としていた時期がありました。
難易度が高い決算早期化プロジェクトでしたので(連結子会社数が3ケタあるような会社の連結決算発表日程をまとまった日数早めるというのは並大抵のことではありません)、本書で書かれているような「基礎的な作法」だけで解決できるようなものではなく、PERT図を用いながら決算関連業務の各プロセスをぐりぐり分解し、「いったいどの業務がクリティカルパス(早期化を阻害している業務)なのか?」を特定した上で、どうやれば早期化が実現できるかを検討・改善していくようなことをやっていました(こういう決算早期化は経理・会計の専門性が必要になります)。
当時はまだ四半期開示などは制度化されていない時代だったのですが、昨今の会計事情(四半期開示、J-SOX対応など)からすると、今でも経理まわりの業務改善系のコンサルティングニーズは潜在需要としてはかなりあるんだろうなぁと思ったりしています。
その対応に向けて、とても参考になる書籍が出ていましたので紹介します。
本書は、上場企業の決算早期化コンサルティングを数多く手がけた会計士の方が書かれた決算早期化のための実務書です。
多くの上場企業の決算を見比べると、「決算の遅い会社には共通点がある」として典型的な状況を説明しています。
以下に本書の目次の一部を抜粋します。
第2章 決算早期化を達成する経理の仕組み
3 アウトプット業務の現状
(1) アウトプット資料が充実していない
①アウトプット資料が少ない
②アウトプット資料がだぶりがある
(2) アウトプット資料が検証不能である
①会計監査の利用可能性が低い
②分析が不十分
③開示物とリンクしていない
(3) アウトプット資料の検索に時間がかかる
第3章 決算早期化を達成できない原因と対策
1 単体決算が遅い会社
(1) 管理業務上の問題がある会社
(2) 事前準備不足の場合
2 連結決算が遅い会社
(1) 子会社側に問題がある場合
(2) 親会社側に問題がある場合
3 開示業務が遅い会社
(1) 基礎資料なしでの開示資料作成
(2) 開示資料作成段階での基礎資料作成
(3) 開示資料・基礎資料のチェック不能
4 監査に時間がかかりすぎている会社
(1) 監査の日程が長すぎる
(2) 監査のタイミングが悪い
(3) 決算早期化のための会計監査対策
このあたりの視点については、私も100%同感いたします。
決算早期化が課題となっている上場準備会社は、ここで書かれていることのいくつか(沢山?)の状況にあてはまっていると思います(決算が遅いのに、これのいずれにもあてはまらないという会社はまずないだろうと私も思います)。
本書では、経理のアウトプット資料を「リファレンスナンバー」と「リードシート」の活用などによって整備することが決算早期化への近道だとして、手順を説明しています。
この切り口は、著者の方が「会計監査に従事していた会計士」だからこそだと良くわかります。
(監査をする側の立場を経験したことがある方であれば本書を読まれるとこのコメントに同感頂けると思います)
決算早期化のために大切なことは資料のファイリングの仕方、資料の名称の見直し(電子データのファイル名含む)、決算の事前準備、監査法人とのコミュニケーションなど、経理業務における「基礎的な作法」をしっかりとすることだという内容です(本書で書かれている手法は、高度な経理・会計知識を必要とするようなものはひとつもありません)。
ひとつひとつの内容については、会計士の視点からすると「当たり前」ともいえることが多いのですが、実際にここで書かれたような対応・工夫ができていない会社がとても多いのも事実でしょうし、こういう切り口で書かれた書籍はこれまでにありませんでしたので、本書はとてもイイと思います。
決算早期化に取り組まれている会社であれば、ぜひとも本書を一読することをオススメいたします。
なお、本書で書かれている対応・工夫をしっかり実践できれば、監査人からの評価アップになることは確実だと思います。
あと、著者の方が書かれているこちらのブログもとても参考になりますので紹介しておきます(会計まわりのトピックス情報をまとめて下さっており私も愛読者です)。
■CFOのための最新情報■
http://blog.livedoor.jp/takeda_cfo/
かくいう私も、もはや数年前のことですが、上場企業の『連結決算早期化コンサルティング』を主たる業務としていた時期がありました。
難易度が高い決算早期化プロジェクトでしたので(連結子会社数が3ケタあるような会社の連結決算発表日程をまとまった日数早めるというのは並大抵のことではありません)、本書で書かれているような「基礎的な作法」だけで解決できるようなものではなく、PERT図を用いながら決算関連業務の各プロセスをぐりぐり分解し、「いったいどの業務がクリティカルパス(早期化を阻害している業務)なのか?」を特定した上で、どうやれば早期化が実現できるかを検討・改善していくようなことをやっていました(こういう決算早期化は経理・会計の専門性が必要になります)。
当時はまだ四半期開示などは制度化されていない時代だったのですが、昨今の会計事情(四半期開示、J-SOX対応など)からすると、今でも経理まわりの業務改善系のコンサルティングニーズは潜在需要としてはかなりあるんだろうなぁと思ったりしています。
テーマ : 会計・税務 / 税理士 - ジャンル : ビジネス