「税制適格」ストックオプションの法定調書は提出ずみ?(1月末まで)
昨年に(暦年ベースで)、「税制適格」ストックオプション(新株予約権)を発行した場合、所定の書類を税務署に届け出しておく必要があります。
税制適格ストックオプションについての制度説明は、以下をご参照ください。
ストックオプション税制のご案内(経済産業省HP)
税制適格ストックオプションは、課税タイミングや税率の面でとても大きな恩典がありますが、ストックオプションの設計面において、付与対象者、権利行使期間、権利行使価額、年間の権利行使価格制限などの要件を満たす必要があることに加え、税務署に法定調書を提出する必要があります。
せっかく要件をすべて満たしていても、法定調書を提出していなければ、IPO後の権利行使時に税務上の恩典を受けることができません。
法定調書の様式は、以下になります。
特定新株予約権等・特定外国新株予約権の付与に関する調書(国税庁HP)
この調書は、企業が税務署に自主的に届け出るもののため、提出を失念してしまった場合に税務署から「忘れていますよ」とは言ってもらえません。
私の関与先のベンチャー企業さんでも、税制適格ストックオプションを発行していると認識していながら、当該調書を提出していなかったというケースがあります(注:私の関与前の発行です)。
会社の決算月に関わらず、暦年ベースで1月末期限ですので、気になる方(付与を受けた人含む)は念のための確認をお勧めいたします。
「独立役員」の確保について
株式上場(IPO)にあたっては、取引所の要請により、「独立役員」を1名以上選任する必要があります。
この「独立役員」は、取引所が定めるものであり、社外監査役・社外取締役(会社法が定める)とは異なる概念です。そのため社外取締役・社外監査役ではあるが独立役員の要件を満たさないということもありえますので注意が必要です(典型的なのは、親会社から受け入れている役員、メインバンク出身者の役員などは、社外監査役・社外取締役の要件は満たしても、独立役員の要件は満たしません)。
独立役員として誰を届け出るかは会社の任意です(要件を満たす人が複数名いる場合には、その全員を届け出ても、その一部を届け出てもいずれでもOKです)。
ただし、基本的には、以下の施行規則のaからeに該当しない人物を選定することとなります(aからeに該当する場合には、一般株主との利益相反が生じる恐れがあるとされています)。
(東証 有価証券上場規程第436条の2) |
(東証 有価証券上場規程施行規則第211第6項第5号、第226第6項第5号) ・ 上場内国株券の発行者は、独立役員の確保の状況(独立役員として指定する者が、以下のaからeまでのいずれかに該当する場合は、それを踏まえてもなお独立役員として指定する理由を含む。)を、コーポレート・ガバナンス報告書において開示するものとします。 a 当該会社の親会社又は兄弟会社の業務執行者等(業務執行者又は過去に業務執行者であった者をいう。以下同じ。) b 当該会社を主要な取引先とする者若しくはその業務執行者等又は当該会社の主要な取引先若しくはその業務執行者等 c 当該会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者及び当該団体に過去に所属していた者をいう。) d 当該会社の主要株主 e 次の(a)又は(b)に掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者 (a) aから前dまでに掲げる者 (b) 当該会社又はその子会社の業務執行者等(社外監査役を独立役員として指定する場合にあっては、業務執行者でない取締役若しくは業務執行者でない取締役であった者又は会計参与若しくは会計参与であった者を含む。) |
取引所に対して、独立役員届出書のドラフトを提出するほか、本則市場への上場の場合、「Ⅱの部」においても独立役員についての記載項目があります。
(東証 IIの部記載要領) Ⅳ.経営管理体制等について 2.コーポレート・ガバナンス等について (1)企業グループのコーポレート・ガバナンス等 c 独立役員について 独立役員の構成に関する方針(独立役員の指定時において取締役会における議決権の有無についてどのような方針を有しているか等)及び独立役員が期待される役割を果たすための環境整備の状況(独立役員との情報共有方法等)について記載してください。 d 株主総会の活性化及び議決権行使の円滑化に向けての取組み状況 定時株主総会の開催日の決定方針、株主総会の招集通知の発送方針及び投資者への提供方法、書面及び電磁的方法による議決権行使の整備状況、独立役員に関する情報及び社外役員の独立性に関する情報の記載方針について記載してください。 |
独立役員のページ(東証HP)
独立役員の確保に係る実務上の留意事項について(東証HP)
独立役員Q&A(東証HP)
IPO時に、「社外取締役」は必要?、不要?
IPO準備会社さんにとっても、本件はひとごとではありませんので、話題として取り上げたいと思います。
8月1日に、法制審議会(法相の諮問機関)の会社法制部会(部会長・岩原紳作東大教授)が開かれ、会社法改正の要綱案を最終決定しました。
法制審議会会社法制部会第24回会議(平成24年8月1日開催)(法務省ウェブサイト)
改正要綱案のPDFが公表されていますが、会社法での「義務化」は見送りとなりました。
ただ、「附帯決議」として、以下が決議されたそうです。
「金融商品取引所の規則において、上場会社は取締役である独立役員を一人以上確保するよう努める旨の規律を設ける必要がある」
これを受けて、「義務化」を推進する立場をとる東証(斉藤社長)は以下の対応をしています。
会社法改正要綱案を受けた社長談話(8/1 東証HP)
独立した社外取締役の確保のお願い(8/2 東証HP)
「当取引所としては、要綱案の確定を待って、速やかに上場規則の見直しに向けた手続きを進めるとともに、上場会社に対しては、新たに導入される「監査監督委員会設置会社」への移行の検討を含め、独立した社外取締役の確保に努めるよう、この機会にあらためて強く要請することとした。」とのことです。
そこで、「IPO準備会社はどうなるの?」ということですが、タイムリーに東証からアナウンスが出ています。
東証 上場推進部のプロモーション窓口「IPOセンター」が配信しているメールマガジン(No17、8/7号)にて、
「独立した社外取締役確保に係る新規上場時の取扱いについて」という、まさに本件がテーマとして説明されています。タイムリーにこの手の情報発信を行う東証の取組みは、素晴らしいと思います。
以下で一部をご紹介します(メールマガジンより引用)。
なお、これら一連の取り組みにつきましては、新規上場を検討されている企業の皆様を対象としたものではなく、当取引所の上場審査においては、独立した社外取締役が一人以上確保されていなくとも、審査上不利な取扱いを受けることはありません。 この取扱いについては、今後実施する上場規則の見直しとあわせて、「新規上場の手引き」及び「マザーズ上場の手引き」にも明記する予定でございます。今後、規則改正や手引きの記載内容の変更があった際は当メールマガジンでもご案内いたします。 |
当然というか常識的な対応だと思います。
もともとの議論は、東証一部に属する大企業のガバナンスに対するものだったはずです。
それが、「上場企業全て」に「義務化」という話にまでなりかけてはいましたが、マザーズなどの新興市場においては、身の丈に応じたガバナンス体制・経営管理体制を求めるべきであり、「上場企業一律」で論じるべきではないと思います(個人的に、この「上場企業一律」論が大キライなのは、J-SOXのせいかもしれません)。
いまでも、新興市場に上場するベンチャー企業に、上場時には監査役会の設置(監査役3名以上)やJ-SOX対応が強制されており、コスト面でも事務面でも負担感が大きくなっている状態です。
先日も、支援先のベンチャー企業の経営者さんにも、「新興市場にIPOするタイミングにおいては社外取締役については、自ら必要性を感じたのであれば選任すればよいと思いますが、社外からの指導などでイヤイヤ選任する必要はないですよ。ただし、その後、東証一部上場企業になる頃には、会社の規模も変わっているでしょうし、社会的な責任も大きくなるのでその時には社外取締役の必要性を考える時が来ることも覚えておいてください。」というようなお話をしたところです。
ついでに、以下もご紹介しておきます。
上場企業のコーポレート・ガバナンス調査(2012)(8/1.日本取締役協会HP)
上場企業のコーポレート・ガバナンス調査(2012)(PDF)8/1.日本取締役協会HP)
こちらの資料を見ると、社外取締役選任企業の割合がどんどん高まっているのがわかります(2004年=30.2%、2012年=54.2%)。ただし、「東証一部上場企業」においてです。
せっかく統計データを公表するのでしたら、同じ内容の新興市場上場企業版が欲しい(知りたい)ところです(全然違う結果がでるのでは?)。。。。
新シリーズ 「IPO重要キーワード」 スタート
「IPO重要キーワード」として、以下の単語について平易な説明をしていきます。
どの用語も、上場会社になるにあたって知っておかないとまずい(恥ずかしい)用語です。
が、これらの用語は、ほとんどの未上場会社には全くと言っていいほど馴染みがありません(なんとなくは分かる、聞いたことはあるという程度の理解どまり)。
主幹事証券会社や監査法人その他関係者との会話でも、当然のようにこれらの単語が使われますので、ある程度正確な理解をしておく必要があります。
いずれの用語についても、奥が深いものばかりですが、なるべくシンプルな説明を心がけます。
(あくまで平易な説明にとどめますので、本格的な内容を知りたい方は、他をあたってください・・・)
【IPO重要キーワード】 (記事掲載の都度、以下にも単語にハイパーリンクを付していきます)
・投資家保護
・企業価値・企業価値の向上
・コーポレート・ガバナンス
・内部統制
・J-SOX
・コンプライアンス
・ディスクロージャー
・I R (Investor Relations)
・(証券取引所が定める) 企業行動規範
・インサイダー取引(内部者取引)
・リスクマネジメント
11年IPOの各種統計データ(番外編 幹事証券 引受手数料(率))
先日の記事 「FacebookがIPOを申請 調達額は「50億ドル」、引受手数料は「1%台?」」において、Facebookの引受手数料(率)について触れましたが、日本のIPOの動向を知っておくことも有用だと思います。
以下が、11年IPO銘柄の引受手数料(率)の一覧です。
(引受手数料(率)は、「目論見書」(もしくは「有価証券届出書」)をじっくり読むとわかる公開情報です)
殆どが7.5%~8.0%ですが、大型案件のカルビーとネクソンは、それより低い手数料(率)です。
上場日 | 会社名 | 市 場 | 主幹事証券 | 時価総額 (百万円) (※) | 引受 手数料 (スプレッド) |
2011/3/3 | 駅探 | マザーズ | みずほ | 4,788 | 8.00% |
2011/3/11 | AGS | 東証二部 | みずほ | 4,655 | 7.50% |
2011/3/11 | カルビー | 東証一部 | 大和CM | 66,580 | 5.85% |
2011/3/15 | 島根銀行 | 東証二部 | 野村 | 3,055 | 8.00% |
2011/3/15 | アイディホーム | JQ(S) | 三菱UFJモルガン | 12,945 | 7.50% |
2011/3/18 | アイ・アールジャパン | JQ(S) | 野村 | 2,966 | 8.00% |
2011/3/23 | ピーエスシー | JQ(S) | 野村 | 1,992 | 8.00% |
2011/6/9 | クロタニコーポレーション | 東証二部 | 野村 | 8,400 | 7.50% |
2011/6/23 | ディジタルメディアプロフェッショナル | マザーズ | 野村 | 5,453 | 8.00% |
2011/6/23 | ハウスコム | JQ(S) | 大和CM | 2,274 | 8.00% |
2011/6/24 | イートアンド | JQ(S) | みずほ | 3,449 | 8.00% |
2011/6/29 | 日本ドライケミカル | 東証二部 | 大和CM | 3,146 | 7.00% |
2011/6/29 | SEMITEC | JQ(S) | 三菱UFJモルガン | 3,468 | 8.00% |
2011/7/21 | モルフォ | マザーズ | 野村 | 3,135 | 8.00% |
2011/7/20 | ラクオリア創薬 | JQ(G) | 大和CM | 21,228 | 7.50% |
2011/8/12 | ヒト・コミュニケーションズ | JQ(S) | 野村 | 5,778 | 7.50% |
2011/9/16 | イーピーミント | JQ(S) | みずほ | 2,798 | 8.00% |
2011/9/22 | ブレインパッド | マザーズ | 野村 | 2,292 | 8.00% |
2011/9/27 | Klab | マザーズ | 大和CM | 8,348 | 8.00% |
2011/10/20 | シンバイオ製薬 | JQ(G) | 三菱UFJモルガン | 10,713 | 8.00% |
2011/10/21 | 日本管理センター | JQ(S) | SMBCフレンド | 1,546 | 8.00% |
2011/10/24 | スリー・ディー・マトリックス | JQ(G) | SMBC日興 | 9,433 | 8.00% |
2011/10/26 | ポールトゥウィン・ピットクルーHD | マザーズ | 大和CM | 9,576 | 8.00% |
2011/10/28 | イーブックイニシアティブジャパン | マザーズ | 大和CM | 1,563 | 8.00% |
2011/10/28 | 菊池製作所 | JQ(S) | 野村 | 3,986 | 8.00% |
2011/11/29 | ベルグアース | JQ(S) | 野村 | 911 | 8.11% |
2011/12/7 | リブセンス | マザーズ | 大和CM | 3,416 | 8.00% |
2011/12/13 | サンセイランディック | JQ(S) | 野村 | 3,450 | 8.00% |
2011/12/14 | ネクソン | 東証一部 | 野村 | 553,006 | 4.20% |
2011/12/16 | ダブル・スコープ | マザーズ | SMBC日興 | 35,429 | 8.00% |
2011/12/19 | ジャパンマテリアル | 東証二部 | 東海東京 | 7,030 | 8.00% |
2011/12/20 | 新田ゼラチン | 東証二部 | SMBC日興 | 7,757 | 7.50% |
2011/12/20 | カイオム・バイオサイエンス | マザーズ | 大和CM | 5,524 | 8.00% |
2011/12/21 | スターフライヤー | 東証二部 | 大和CM | 4,461 | 7.50% |
2011/12/22 | アイセイ薬局 | JQ(S) | 大和CM | 3,944 | 8.00% |
2011/12/22 | ミサワ | マザーズ | みずほインベ | 1,703 | 8.00% |
本表は手作業集計によるものですのでご注意下さい(もし間違いあればご指摘下さい)。
【参考過去記事】
FacebookがIPOを申請 調達額は「50億ドル」、引受手数料は「1%台?」(12/02/03)
11年IPOの各種統計データ(第1回 市場別上場会社数)(12/1/17)
11年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(12/1/23)
11年IPOの各種統計データ(第3回 監査法人別上場会社数)(12/1/26)
11年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(12/1/27)
11年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(12/2/6)
11年IPOの各種統計データ(番外編 幹事証券 引受手数料(率))(12/2/7)
11年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)
プロネクサス | 宝印刷 | 計 | ||||
東証1部、2部 | 5 | 4 | 9 | |||
JASDAQスタンダード | 7 | 6 | 13 | |||
JASDAQグロース | 2 | 1 | 3 | |||
東証マザーズ | 6 | 5 | 11 | |||
計 | 20 | 16 | 36 |
(注意事項)
上記数値は、私が手作業で集計したものですので間違っているかもしれません(間違いのご指摘あればお願いします)。
今回で11年IPOの各種統計データはおしまいです。が、あと1回番外編を考えています。
【参考過去記事】
各種関係者(専門印刷会社)(08/06/01)
09年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(09/12/06)
10年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(10/12/13)
11年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)
三菱 UFJ | 中央 三井 | 住友 | みずほ | 日本 証券 代行 | 東京 証券 代行 | 計 | ||||
東証1部、2部 | 1 | 2 | 4 | - | 2 | - | 9 | |||
JASDAQスタンダード | 6 | 3 | - | 3 | - | 1 | 13 | |||
JASDAQグロース | 1 | 2 | - | - | - | - | 3 | |||
東証マザーズ | 8 | 2 | - | 1 | - | - | 11 | |||
TOKYO AIM | 1 | - | - | - | - | - | - | |||
計 | 17 | 9 | 4 | 4 | 2 | 1 | 37 |
(注意事項)
上記数値は、私が手作業で集計したものですので間違っているかもしれません(間違いのご指摘あればお願いします)。
次回は印刷会社別の上場会社数の予定です。
【参考過去記事】
各種関係者(証券代行)(08/05/20)
09年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(09/12/03)
10年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(10/12/11)
10年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)
主幹事証券別の11年IPO会社数(市場別)です。
野村 | 大和 CM | みずほ | みずほ インベ | 三菱 UFJ モルガン | SMBC 日興 | SMBC フレンド | 東海 東京 | フィリップ | 計 | ||||
東証1部,2部 | 3 | 3 | 1 | - | - | 1 | - | 1 | - | 9 | |||
JQスタンダード | 6 | 2 | 2 | - | 2 | - | 1 | - | - | 13 | |||
JQグロース | - | 1 | - | - | 1 | 1 | - | - | - | 3 | |||
東証マザーズ | 3 | 5 | 1 | 1 | - | 1 | - | - | - | 11 | |||
TOKYOAIM | - | - | - | - | - | - | - | - | 1 | 1 | |||
計 | 12 | 11 | 4 | 1 | 3 | 3 | 1 | 1 | 1 | 37 |
(注意事項)
上記数値は、私が手作業で集計したものですので間違っているかもしれません(間違いのご指摘あればお願いします)。
次回は監査法人別の上場会社数の予定です。
【参考過去記事】
・各種関係者(証券会社)(08/04/27)
・主幹事証券の選定に関するアドバイス(10/04/21)
・09年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(09/11/28)
・10年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(10/12/05)
11年IPOの各種統計データ(第1回 市場別上場会社数)
もう12年が始まってしばらく経ってしまいましたが、
11年(暦年ベース)のIPOの各種統計データを何回かにわけてまとめます。
07年:121社 → 08年:49社 → 09年:19社 → 10年:22社 → 11年:37社(※)
(※ TOKYO AIMの1社も集計対象にしています)
まだ低空飛行ですが、増加トレンドにあるとはいえると思います。
第1回は、「市場別」の新規上場会社数です。
市 場 | 1 1 年 | 10年 (参考) | 09年 |
東証一部 | 2社 | 4社 | 1社 |
東証二部 | 7社 | 2社 | 5社 |
JASDAQスタンダード | 13社 | 9社 | 6社 |
マザーズ(東証) | 11社 | 6社 | 4社 |
JASDAQグロース | 3社 | 1社 | 2社 |
(旧 ヘラクレス) | - | - | 1社 |
TOKYO AIM | 1社 | - | - |
合計 | 37社 | 22社 | 19社 |
(注意事項)
上記数値は、私が手作業で集計したものですので間違っているかもしれません。
(間違いのご指摘あればお願いします)
次回は「主幹事証券別」の上場会社数の予定です。
【参考過去記事】
08年IPOの各種統計データ(第1回 市場別上場会社数)(08/11/20)
08年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(08/11/24)
08年IPOの各種統計データ(第3回 監査法人別上場会社数)(08/12/02)
08年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(08/12/07)
08年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(08/12/10)
2008 IPOデータ(総括① - 各種分類別集計表) (2009年01月04日)
2008 IPOデータ(総括② - 全49社総括表 ) (2009年01月04日)
2008 IPOデータ(総括③ - 事業等のリスク) (2009年01月04日)
09年IPOの各種統計データ(第1回 市場別上場会社数)(09/11/26)
09年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(09/11/28)
09年IPOの各種統計データ(第3回 監査法人別上場会社数)(09/11/30)
09年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(09/12/03)
09年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(09/12/06)
10年IPOの各種統計データ(第1回 市場別上場会社数)(10/12/04)
10年IPOの各種統計データ(第2回 主幹事証券会社別上場会社数)(10/12/05)
10年IPOの各種統計データ(第3回 監査法人別上場会社数)(10/12/07)
10年IPOの各種統計データ(第4回 証券代行別上場会社数)(10/12/11)
10年IPOの各種統計データ(第5回 印刷会社別上場会社数)(10/12/13)
上場準備を行う社内体制について
上場準備を行う社内体制について、一般的なことですが書いてみます。
・大型IPOの場合(東証一部への直接上場など)
「上場準備室」(や「上場推進室」、「IPO準備室」)のような専門組織を設けることが一般的です。
上場準備室のメンバーは、社内の企画部門や総務部門、経理部門などから集められ、上場準備に関する作業の多くは、この上場準備室が主体となって行うこととなります。
また、主幹事証券会社の担当者がほぼ常駐(専任)のようなかたちで上場準備室に参画するケースも多くあります(「出向」の形態で上場準備室の一員として作業にあたるケースもあります)。
・ベンチャー企業の場合
上場準備の専任担当者(組織)を設けることは稀で、多くの場合、「プロジェクト」として通常業務を持ちながらの兼務対応となります。
プロジェクトリーダーは社長、プロジェクトの実務責任者は多くの場合、管理部門担当の役員が対応します。
専任の担当者はいませんので、上場準備の各種作業は、責任者の指示で分担して行っていくことになります。
多くのベンチャー企業は、業容拡大過程において必要最低限の人数で日常業務をまわしています。そのため日常業務だけでもかなり忙しい状況ですが、その状況で上場準備の作業を行っていくことになります。
私がIPOコンサルタントとして支援するのは、多くがこちらのケースです。
次回も、この上場準備体制の話題を続けて書こうと思っています。
【参考過去記事】
IPOプロジェクトチームの編成(08/01/27)